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乗客増えた?北総線「運賃大幅値下げ」のその後 経営トップが明かした戦略、狙いは当たったか

東洋経済オンライン / 2024年7月22日 7時0分

室谷氏は「路線の特性や沿線の事情にもよるが、値下げは収入面ではマイナスにしかならないわけではないことが証明された」と話す。

利用者減少による経営悪化という悩みを抱える地方の鉄道会社は数多い。一般的には値上げで収支改善を図るのだろうが、値下げによる誘発効果で収入を増やせるという事例ができた。今後の参考事例になりそうだ。

通勤定期の値下げも?

運賃値下げを見届けた室谷氏は2023年6月、社長を辞任し会長職についた。今後については「安全運行を大前提に運賃やダイヤなどさらに鉄道サービスの使い勝手の良さを追求していきたい」とするほか、駅前や高架下の再開発を行うことで「沿線にプラスアルファの価値を提供したい」とも話す。

北総鉄道の車両は都営地下鉄や京急の路線を通じて、品川や羽田空港にも乗り入れる。同社は運賃値下げを契機に、沿線6市と千葉県が1編成すべてにオリジナル広告を掲出して、沿線の魅力をPRする「沿線活性化トレイン」というラッピング列車を走らせている。今年も7月31日から来年1月末まで運行する予定だ。

「羽田空港を利用する人は関東一円の人ですよ。その人たちが北総鉄道の車両に乗って沿線のPR広告を見る。沿線自治体も都市間競争を勝ち抜いていかなくてはいけない。これまでは沿線のみなさまから運賃を下げろと言われ続けてきたが、これからは共に北総エリアのブランディング化や活性化に取り組んでいくことで、沿線の皆さんとは本来の関係であるウィンウィンの関係をより強固なものにしていきたい」

大坂 直樹:東洋経済 記者

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