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「脱ママチャリ」電動自転車がここへ来て人気の訳 10万超でも高性能化、小型化で「1人1台」に?

東洋経済オンライン / 2024年7月23日 10時0分

単なる移動手段ではなく、生活の利便性を上げたり、節約になったり、体力増進につながるなど、多様な選ばれ方をしている電動アシスト自転車。背景には、電動アシスト自転車そのものの進化がある。

電動アシスト自転車が日本に登場したのは1980年代後半だ。当初はフレームの太い、いわゆる「ママチャリ」型のみだったが、近年、急速に進化を遂げている。モーターの小型化やアルミフレームによる軽量化などの進歩に伴い、フレームはスリムに。自転車市場でトレンドのコンパクトなタイプも生まれ、街で取り回しやすいフォルムになった。

カラーリングも千差万別だ。あさひでは、全国536店舗の店を訪れる客のリアルな声と、トレンドをすぐに企画開発に反映。流行のニュアンスカラーやレトロカラーを取り入れ、スーツや普段着で違和感なく使えるモデルを用意している。色も形も、消費者がライフスタイルに合わせて選べ、幅広いシーンに「ハマる」スタイリッシュなモデルが次々に誕生しているのだ。

加えて、バッテリーが大容量化し、長距離走行も可能になっている。なかには1回の充電で100キロ走るタイプもあり、そうなると、よほどの長距離でなければ毎日乗っても充電は数日置きで済む。このため、格段に使い勝手もよくなっている。

見た目の変化、高性能化、軽量化。それらが、これまでは電動アシスト自転車を避けていた層に選択肢を提供し、ファン層の拡大をもたらしているのである。

電動アシスト自転車の売り上げは順調に増加

今回話を聞いたあさひの、2024年2月期の総売り上げは約780億円。このうち、電動アシスト自転車は約211億円を占めている。パーツなどをのぞいた「自転車」単体の売り上げとしてはもっとも多く、2025年の目標には、9億円上昇の220億円を掲げている。

この目標を掲げるのが順当と言えるほど、同社の電動アシスト自転車の売り上げは、右肩上がりを続けている。

とはいえ、一般的な自転車が現在2万~5万円程度なのに対して、電動アシスト自転車は少なくとも10万円、高ければ20万円以上する車体もある。昨今の物価上昇の影響を受けた「買い控え」も当然あり、あさひでもメーカー製の高級シリーズの売り上げの伸びは鈍化の傾向にあるそうだ。

だが、あさひは自社で企画から生産、販売までを統合したSPA(垂直統合型のサプライチェーンモデル)の仕組みを導入することで、価格の高騰を抑えている。オリジナルシリーズ『エナシス』は、10万9,000円~12万7,000円(税抜)と比較的リーズナブルで、かつ、厳しい安全テストに合格したものだ。それが選ばれる理由となり、円安下でも売り上げを順調に伸ばしている。

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