1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

兵庫「おねだり知事」なぜそこまで勘違いできたか 雇われに過ぎないのに…首長による私物化は他にも

東洋経済オンライン / 2024年7月23日 18時30分

2021年の兵庫県知事選で当選した斎藤元彦氏(写真:アフロスポーツ)

兵庫県の斎藤元彦知事に、数々の不祥事疑惑が持ち上がっている。県内の特産ワインを要求したり、パワハラ言動があったり……。その真相を解明すべく、県議会は調査特別委員会(いわゆる百条委員会)を設置した。一連の疑惑を告発したのは県職員だったが、百条委員会を前に亡くなったことでも注目を集めている。

【写真】体操・宮田「五輪辞退は厳しすぎる」に言いたい事

筆者はネットメディア編集者として、これまでも政治家の不祥事と、SNSの反応を眺めてきた。そこで感じたのは、「政治家による私物化」には、嫌悪感を示す人が多いということ。そこで今回は、過去の事例も交えつつ、背景にあるものを考えていきたい。

斎藤氏は告発を事実無根の「ウソ八百」と断じた

兵庫県西播磨県民局長(当時)の男性が2024年3月、斎藤氏らをめぐる疑惑を告発する文章を公開し、そこには職員へのパワハラなどが記されていた。文章は匿名で出されたものの、男性によって作成されたと判断。男性は3月末での退職が予定されていたが、局長職を解任されたうえで、退職も取り消された。

斎藤氏は告発を「ウソ八百」の事実無根と断じて、法的措置も示唆。5月には元局長を停職3カ月の懲戒処分に処した。一方で県議会は6月、地方自治法100条に基づき、疑惑や不祥事を調査する「百条委員会」の設置を決定する。

しかし7月7日、百条委員会への証人出頭が予定されていた元局長が急逝する。死去後の7月19日に行われた百条委員会会合では、元局長が残した音声データと陳述書が示され、斎藤氏のものと思われる「ワイン、ちょっとまだ私、飲んでいないので、ぜひまた。この間はイチゴ、ジャム、塩はあれですけど……。折を見てよろしくお願いします」との音声が流された。

会合に前後して斎藤氏は、上郡町職員からワイン2本の提供を受けたとしつつ、「仕事として、県の施策として産業振興の一環で大切なこと」だと明言。一方で具体的なPR活動はしていないとも語った。

この件のほかにも、各社報道では、ことあるごとに職員を怒鳴りつけるといったパワハラ疑惑が伝えられている。斎藤氏は否定しているものの、SNS上では「早く辞任すべきではないか」といった指摘が噴出。県立高校などへ2022年に設置された、斎藤氏の声がでる自動販売機にまで話題は波及し、「再選目的の売名行為ではないか」と批判の的になっている。

斎藤氏の略歴

ここまで問題視される斎藤氏とは、そもそもどんな人物なのか。略歴を簡単に振り返ってみよう。1977年兵庫県神戸市に生まれ、東京大学卒業後に総務省へ入省、新潟県佐渡市の企画財政部長、宮城県の総務部市町村課長、大阪府の財務部財政課長などを経て退官後、2021年の兵庫県知事選で当選した。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください