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「三権分立はフィクション」と泉房穂が断じる根拠 そもそも議会は「富裕層」のためのものだった

東洋経済オンライン / 2024年7月24日 16時0分

わずか5人に1人も支持していない政党が与党となり、議会で重要な政策を決定しているのが現状です。

先ほども述べたように、議会に送り込まれた政治家は、ノイジーマイノリティの代弁者でしかなく、特定の業界や党派、宗教などとは無関係な多くの庶民、つまりサイレントマジョリティの声を代弁する議員などどこにも存在しない。そのような議会が、社会全体のための合理的判断を下せない状況に陥ってしまうのは自明のことです。

一方で、ルソーが理想としたのは議会制民主主義、つまり間接民主主義ではなく、直接民主主義でした。市民が直接首長を選び、首長が権限を行使することで、市民全体にとって共通の利益となること、つまり一般意志が政治に反映されやすくなると考えた。

あるいは、大きな方針を決定するには住民投票・国民投票を行う。そうやって直接的に市民が決めていくことで、個別の既得権益に左右されない合理的な一般意志が確立されるのだというルソーの考えに、私は大きく影響を受けています。

議会の果たすべき役割は時代とともに変化していく

何が言いたいかというと、議会制民主主義と直接民主主義、どちらが正しいのか、ということではなく、両方にそれぞれのよさと限界があるのだということ。

かつ、議会の果たすべき役割は時代とともに変化しているということです。

たとえば、日本の場合、人口も増えて税収も増えていたいわゆる右肩上がりの時代、分配型の時代には、議会も一定の機能を果たせていたと思います。

黙っていてもパイが増える時代でしたから、選択と集中という政治決断は必要ない。議員たちが、地域代表や業界代表などの役割を担うことで、それぞれの分野において見落とされがちなテーマを俎上に上げていき、パイの分配を行っていきました。

社会全体であまり知られていない問題を広く知らしめる、きっかけづくりという意義もあったと思います。「こんな分野にも行政のサポートが必要ですよ」という気づきを共有してくれるというところに、各種の族議員の役割があったということです。

泉 房穂:前明石市長

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