1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「通勤がつらい」会社からの独立目指す人の"盲点" 法的な「労働者」として扱われないこれだけのリスク

東洋経済オンライン / 2024年7月24日 17時0分

(写真:Fast&Slow/PIXTA)

都内のシステム会社で、1年半ほど前まで正社員として働いていたKさん(30代、男性)。コロナ禍の期間はフル在宅で勤務をしていましたが、昨年1月から会社の方針が変わり、原則週3日の出勤が求められるようになりました。

会社からの提案でフリーランスに

ただ、Kさんは自宅が会社から遠いこともあり、フル在宅を希望したところ、会社からフリーランス(業務委託)の提案がありました。フル在宅で、年収も若干上がるようだったので、最終的には一旦会社を退職し、フリーランスとして働くことに。

フリーランスとして、1年ほどフル在宅で働き、時間も業務もかなり自由にできていたKさんでしたが、そこで思わぬことが。今年4月にKさんの部門が外資系の会社に事業譲渡され、Kさんは会社とのフリーランス契約を1カ月後に解除されてしまったのです。

Kさんは、フリーランス契約を解除されてから、初めてフリーランスと労働者の違いを知り、後悔したのでした。

フリーランスで働く人が年々増加していますが、会社員として働く労働者でない以上、法的に保護されていない部分もあります。そこで今回はフリーランスと労働者の違いについて解説します。

1.フリーランスと労働者の違い

(1) フリーランスは“労働者”ではない

近年、業務委託や個人事業主といったいわゆるフリーランスとして、働く人が増えています。フリーランスは、特定の企業に雇用されず、時間・場所等に縛られない⾃由な働き⽅が魅力的ですが、労働基準法をはじめとした労働者を保護する法令が原則対象となりません。なぜなら、フリーランスは法律上の労働者ではないからです。

労働基準法では、労働者について「職業の種類を問わず,事業⼜は事務所に使⽤される者で,賃⾦を⽀払われる者をいう」と規定されています。要するに、会社から働く場所や時間を指定され、仕事内容、進め方について具体的な指示、命令を受けながら業務をしており、その対価として賃金が支払われる人が労働者というわけです。

スキルや経験を武器に仕事の成果を出すことが前提

したがって、ご自身の知識、スキルや経験を武器に、時間や場所も拘束されず、また具体的な指示や命令を受けないで仕事の成果を出すことが前提のフリーランスは、労基法上の労働者に該当しません。そのため、フリーランスは労働基準法で規制されている労働時間、割増賃金や年次有給休暇等はもちろんのこと、労働契約法の解雇の規制など労働者であれば当然保護されるルールが適用されないことから、Kさんのように一方的な理由で契約解除となることもありうるのです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください