1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「通勤がつらい」会社からの独立目指す人の"盲点" 法的な「労働者」として扱われないこれだけのリスク

東洋経済オンライン / 2024年7月24日 17時0分

もし会社員である人がフリーランスという道を考える際には、フリーランスと労働者の違いをきちんと理解したうえで、選択することがとても重要です。
 
(2) 労働者性は実態で判断される

ところで、フリーランスと一言で言っても、実態はさまざまです。フリーランスとして完全に自由に自己責任で働いている方もいれば、労働者だったときとあまり変わらないような働き方をされている方も正直いるかと思います。

ただよく問題となってしまうのが、仕事中にケガなどがあった場合です。労働者であれば労災保険からさまざまな補償を受けることができますが、フリーランスは労働者でないため、原則労災保険の対象となりません。そのため、ケガ等を負った場合に労働者であったのかどうか、労働者性についてトラブルとなるケースが多いのです。

フリーランスあるいは労働者どちらに該当するかは、形式的な契約で判断されるわけではなく、実態を踏まえて判断されます。具体的には、①業務の内容や遂行方法について具体的な指揮命令を受けていたか、②勤務する場所や時間が指定され管理されていたか、③仕事の依頼や業務の指示があった際に受けるかどうかを自分で決められなかったかなど、実態を踏まえて労働者性を総合的に判断することになります。

Kさんは、システムエンジニアという比較的自己の裁量をもって働ける職種であり、場所も時間も拘束を受けることなく自由に働いていたことなどから、労働者性についてはかなり低そうに見えますが、労働者、つまり会社員として働いていたときと働き方がほとんど変わらないのに契約だけフリーランスになっているような場合は、それを提案した会社側の対応が乱雑です。もし、労働者を業務委託などのフリーランスに切り替えることを検討する際は、きちんと両者の違いを理解したうえで、現実的に働かせ方が可能か十分検討する必要があります。

2024年11月からフリーランス新法が施行

なお、フリーランスは、どうしても労働者と比べて立場が弱いです。そのため、取引条件が十分に明記されていなかったり、報酬の支払いの遅れや一方的な減額がされる等のトラブルも増えていました。そのため、2024年11月からフリーランス新法が施行され、書面等での契約内容の明示、報酬の支払い等のルール、就業環境の整備、契約解除の予告など法令によりフリーランスの保護が図られることになっています。

2.フリーランスは失業保険もない

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください