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「人を動かす力」ない上司は信頼失墜の厳しい現実 かつては上司の言うことは絶対、でも今は違う

東洋経済オンライン / 2024年7月24日 15時30分

マネジャーには自分の力で部下を動かせるかどうかが試されています(写真:simon2579/gettyimages)

「その人がそこにいることに自分は気が付いている。それを相手に伝えること」をコーチングでは「アクノレッジメント(存在承認)」と呼んでいます。

本記事では『「承認(アクノレッジ)」が人を動かす』を上梓したコーチ・エィ代表取締役社長執行役員の鈴木義幸氏に、マネジャーにはどのような心がけや行動が必要か、部下に対する「アクノレッジメント」についても含めながら聞きました。

マネジャーに求められる「人を動かす力」

マネジャーであれば「人を動かす力」が必要です。一プレーヤーであれば、自分だけ頑張ればいいということもあるでしょう。ですが、マネジャーは部下を動かさなければいけません。

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長らく日本企業では、マネジャーは部下を動かす力をさほど高いレベルで持っていなくてもよかった、といったら言い過ぎでしょうか。

日本企業では年功序列が当たり前でしたし、社会全体で見ても「年長者を敬う」という暗黙の了解があり、上司の言葉は部下に届きやすかったと思うのです。

しかし年功序列が崩れ、実力主義が人事制度の中心となれば、以前ほど、上司の言葉は部下に鵜呑みにされません。

また従来の日本企業では基本的に終身雇用で、長く勤めれば勤めるほど退職金も多くなるため、離職せずに会社にとどまるというインセンティブが働いていました。

さらに同じ年に入社した「同期」という絆も、社員が長く会社にとどまることをバックアップしていたように思います。かつては「今やめると、将来同期会に呼ばれないよ」などという言葉が、社員を会社に留める言葉になっていたと聞いたことがあります。

そして、そもそも社会の中に、ひとつの会社で一生懸命がんばり、いつか昇進してお給料を増やし、良い生活をするのがいいことだ、という通念が存在していました。

つまり、社員が一つの会社にとどまり一生懸命働くということは、かなりの程度、企業とそれを取り巻く社会の仕組みが支えていたわけです。

そのためマネジャーが1on1で部下とじっくり向き合ったり、日頃から声をかけたりしなくても部下が離職するようなことは、今よりも少なかったように感じます。

総体としてみれば、マネジャーが部下の行動促進に寄与する割合は、実は2割ぐらいしかなかったのかもしれません(もちろん会社ごと、ケースバイケースですが)。

ところが、今は、1人の社員の社内への定着や目標に向けての行動促進を、かつてのようには企業の仕組みが支えていません。よって、マネジャーは、自分の力で部下を動かさなければいけないのです。

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