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「人を動かす力」ない上司は信頼失墜の厳しい現実 かつては上司の言うことは絶対、でも今は違う

東洋経済オンライン / 2024年7月24日 15時30分

もちろん「会社がどのようなビジョンを社員に共有しているか」「給与制度がどういうものか」など、社員のモチベーションに影響を与えるものはほかにもあります。

しかし「マネジャーの関わり」という変数は、部下の行動、モチベーションに対して、かつて以上に大きな影響を与えるものとなっています。特にマネジャーは、部下との1対1の関係の中で、部下を動かす能力がこれまで以上に求められるようになっているのです。

さて、1対1で相手を動かそうと思えば、まずは相手と信頼関係をつくり、相手との間に魅力的なビジョンを構築し、相手がリスクをとって一歩踏み出せるように後押しする必要があります。

要するに、これを部下に対して高いレベルで実践しなければいけないわけです。

「セクハラ」と言われるのが怖い?

信頼関係をつくるためには、アクノレッジは絶大な効力を発揮しますから、まずは、部下にアクノレッジしましょう、となります。

ところが、ここで最近問題となるのが、ハラスメントと受け取られるのを恐れて、アクノレッジしにくいということです。

たとえば「話を聞くのが大事」だと言われても、下手にプライベートなことまで踏み込んで聞いてしまってはハラスメントと言われかねません。

いくらアクノレッジの実践で「相手に関心を寄せていることを示すため、気がついたことを伝える」が大事であっても、「髪の毛、切ったんだね」といった声かけがセクハラとなる可能性もあります。

また部下をアクノレッジするために、ありのままに感じたことを伝え、しっかりフィードバックしようとしたら、その内容が相手にとってはパワハラと感じられてしまう可能性もあります。

気を使いすぎ部下の成長を支援できていない

ハラスメントを恐れてか、実際に人事の担当者からも時折、「最近の上司は、優しすぎる、ゆるすぎる。部下に気を使い過ぎて、部下の成長を支援できていない」という話を聞きます。

しかし、考えてみましょう。

そもそもお客様を動かそうとするときは、相手の気持ちを察し、相手が最も快適に感じる言葉や行動をこちらは選択します。ときには、本当にお客様のためと思って、気づきをしっかりと伝えることもあるでしょう。

そのときと同じ姿勢で部下に接してみるのはいかがでしょうか。

「自分は上司だからリスペクトされるべき」といったプライドは脇に置き、相手が誰であろうと、本気で他人を自分の力で動かそうと思ったら、どんな風に声をかけ、どんな風に話をし、どんな風に相手をフォローアップするのかを考えてみませんか。

「成長承認」で部下が動く

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