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浦和レッズ、売上高100億円突破後の次の一手 田口誠社長が見据える経営戦略と将来ビジョン

東洋経済オンライン / 2024年7月24日 11時0分

2023年、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で3度目のアジア制覇を達成した浦和レッズ(写真提供:URAWA REDS)

「売上高200億円のJクラブを作りたい」

【グラフを見る】100億円を超えた浦和レッズの売上高の主な内訳。スポンサー収入、入場料収入、物販収入はどれくらい?

Jリーグの野々村芳和チェアマンは大きな目標を掲げているが、そのハードルは非常に高い。世界に目を向けると、レアル・マドリードやマンチェスター・シティの1500億円超を筆頭に、遠藤航が在籍するリバプールや冨安健洋が在籍しているアーセナルも1000億円規模を突破しており、世界トップとの差は依然として大きい。

こうした中、2023年度の決算で浦和レッズが売上高103億8400万円を達成したのは、明るいニュースと言える。

Jリーグ2チーム目の100億円突破

Jクラブの売上高100億円突破は、2019年のヴィッセル神戸の114億円に続く2チーム目。この時の神戸は親会社・楽天からの巨額の協賛金を含むスポンサー収入が74億円超と圧倒的だった。

だが、2023年の浦和のスポンサー収入は42億2300万円だった。もちろん筆頭株主・ダイヤモンドF.C.パートナーズに共同出資している三菱重工業、三菱自動車工業からの協賛金はあったものの比率が低く、より多くのパートナー企業やファン・サポーターから支援される中で100億円を達成したのである。

そこで今回は、2023年2月から社長を務めている田口誠社長に単独インタビューを実施。コロナ禍以降の経営の現状やクラブの取り組み、今後のビジョンなどを聞いた。

「100億円突破の背景を分析すると、まず2023年はチーム成績がついてきた。それが大きなプラス要因になっています。まずAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で3度目のアジア制覇を達成。年末にサウジアラビアで行われたFIFAクラブワールドカップ(FCWC)にも参戦し、4位という成績を収めました。

国内タイトルは取れなかったものの、シーズン終盤まで優勝争いに加わってのリーグ4位、YBCルヴァンカップ準優勝、天皇杯16強という結果になり、総額で約9億円の賞金を手にできたことも大きかったと思います」と田口社長は語る。

成績が良ければ、それに伴って入場者数が増加し、グッズ販売も増える。2023年の浦和のリーグ戦総入場者数は51万8648人、1試合平均では3万0509人を記録した。

熱心な固定ファンの支え

ホームスタジアムである約6万人収容の埼玉スタジアムが芝生の張り替え工事の影響で使用できず、収容人員約2万人の浦和駒場スタジアムでシーズン開幕戦を含む2試合を開催。さらにACL出場の影響でホームゲーム17試合のうち7試合を平日に開催せざるをえないという集客面で非常に厳しい条件下で、リーグトップの数字を達成したのは意味がある。埼スタでの週末開催試合の入場者数は平均4万人を超えているのも特筆すべき点だ。

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