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発表あるか?「熱中症特別警戒アラート」の危険性 もはや"災害級" 猛暑にどう対処すべきか

東洋経済オンライン / 2024年7月24日 14時0分

日中の行動が制限されるほど、年々、厳しさを増す猛暑(写真:photoポケット / PIXTA)

日本列島は多くの地域で短い梅雨の期間を経て、危険な猛暑に見舞われている。昨年は観測史上最も暑い夏となったが、今年も厳しい夏を覚悟する必要がありそうだ。

【画像】 「過去に例がない危険な暑さ」と言われた2020年8月11日、埼玉県内の暑さ指数

欧州連合・気候情報機関の調査では、世界の平均気温は6月として過去最高の暑さを記録し、月別で最も高い気温を付けたのは13カ月連続となった。気温の上昇が続けば、耐え難い暑さとなることは避けられない。

サウジアラビアでは、6月中旬に行われたイスラム教の聖地メッカへの大巡礼(ハッジ)の間に、少なくとも1300人が死亡したと報じられた。今年の巡礼は気温が一時的に50℃を超える熱波の中で行われ、長距離歩行に伴う熱中症が原因とされている。

日本では、さすがにこれほどまでの高温は発生したことはない。また、日本には「熱波」の公式な定義はない。しかし、これまで経験したことがないような状況が、この先も起きないという保証もない。「想定外」が起きた際、人の健康や命に甚大な影響が出る可能性がある。

「熱中症特別警戒アラート」とは何か

国は今年4月から従来の「熱中症警戒アラート」より1段階上の「熱中症特別警戒アラート」(特別警戒アラート)を導入している。

環境省の調査によると、「熱中症警戒アラート」に対する認知度は約8割に達している。しかし、「特別警戒アラート」は2024年7月22日現在、一度も発表されていないため、認知度はまだ低いとみられる。

この2つは何が違うのだろうか。環境省の説明資料を一部抜粋すると以下の表の通りとなっている。※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください。

環境省が「特別警戒アラート」の導入を考えたのは、2021年6月、カナダのブリティッシュコロンビア州で起きた熱波が1つの要因だったという。

人口約500万人の同州では、6月29日に49.6℃を記録。熱中症による死亡者は619人にも上った。同州は日本の北海道よりやや北緯に位置するので、6月の気温としては異常だ。

特別警戒アラート、発令のハードルは高い

国立環境研究所気候変動適応センターの岡和孝・気候変動影響観測研究室 室長は、過去に観測したトレンドから判断すれば、「特別警戒アラート」が「すぐに発表されるような状況ではないかもしれない」とみる。

岡氏は環境省の「特別警戒アラート」の導入を議論する「ワーキング・グループ」の座長を務めた。

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