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話題作なく総崩れ?「夏ドラマ」評価分かれる背景 クドカン新作と日曜劇場は厳しい評価の一方…

東洋経済オンライン / 2024年7月24日 12時0分

夏シーズンに始まったドラマ。作品によって評価が分かれた(写真は各公式インスタグラムより引用)

7月後半に入り、夏ドラマがほぼ出揃った。だが、残念ながらポジティブな話題で盛り上がるようなドラマがまだ生まれていない。

【写真で見る】「新宿野戦病院」「海のはじまり」など、評価が分かれた今期の夏ドラマ

期待値の高かった宮藤官九郎オリジナル脚本の『新宿野戦病院』(フジテレビ系)、安定のブランド力のTBS日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』は、思いのほか厳しい評価にさらされている。

既視感が多い「新宿野戦病院」

夏ドラマの中でも、放送前に特に話題になっていたのが『新宿野戦病院』だ。

社会的ヒットになった1月期ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)に続く宮藤官九郎のオリジナル脚本であり、物語の舞台は新宿・歌舞伎町。

前作は令和の過剰なコンプラ社会を昭和の視点からツッコミを入れて話題になったが(過去記事:「不適切にもほどがある!」世代で生じる"温度差")、本作ではアジア随一の歓楽街に渦巻くさまざまな社会問題に鋭く切り込んでいくことが期待された。

しかし、エンターテインメント性の高い社会派人間ドラマが繰り広げられるかと思いきや、第3話まででは「思っていたのとちょっと違う」という感想が多いようだ。

気になるのは設定の多くがベタなこと。第1話からドタバタコメディ要素が全開。歌舞伎町の酔っ払いのケンカ、外国人のから騒ぎ、パパ活の話題ではしゃぐおじさん医師たちなど、歌舞伎町の要素が入っているとはいえ、昔懐かしいテレビドラマを見ているかのようだった。

ほかにも、赤字経営の病院を美容クリニックに変えようとしていがみあう家族や、そんな病院に担ぎ込まれるホストやキャバ嬢、ホームレス、トー横キッズ、外国人難民などが物語に登場する。

そこで起きている出来事は、歌舞伎町の現実の一部かもしれない。だが街のことも、社会問題も、すでに数多く報道されているだけあって、既視感だらけに思えてしまう。社会問題として掘り下げてもいないため、ストーリーに意外性も新しさもない。事象の表面をなぞっているだけに感じてしまうのだ。

ヒロインであり、歌舞伎町の若者をサポートするNPO法人代表の南舞(橋本愛)が、夜はSMクラブの女王という裏の顔を持つのも、昔よく見たドラマ設定のパターンのようだ。

ただ、英語と岡山弁を巧みに扱うアメリカ国籍の元軍医ヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)と美容皮膚科医の高峰享(仲野太賀)は、クドカン脚本ならではの会話劇を楽しませ、ドラマを引き締めている。その際立ったキャラ立ちっぷりは、視聴者を強烈に物語に引き込んでおり、つい見入ってしまう魅力を放つ。

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