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京王新線「新宿の隣」初台駅が放つ独自の存在感 開業時は「改正橋駅」、名前も場所も変わった

東洋経済オンライン / 2024年7月25日 7時30分

京王電鉄の初台駅北口と新国立劇場・東京オペラシティ(筆者撮影)

大手私鉄のターミナルの隣の駅は、対照的にひっそりとしていることが多い。鉄道事業者としては、ターミナルに百貨店などを用意して利用者を集めようとしているので、分散してもらうと困るということがあるだろう。

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初台駅は異色の存在

その点で言えば、京王電鉄京王新線で新宿駅の隣にある初台駅は異色の存在だ。駅に隣接して新国立劇場や東京オペラシティがあり、周辺にはNTT東日本、カシオ計算機、ロッテといった有名企業の本社が並んでいるのだから。

京王電鉄によると、2023年度の1日平均乗降人員は5万4828人で、井の頭線渋谷駅の隣、神泉駅の約5倍、井の頭線との乗換駅である明大前駅の京王線の数字より多い。

【写真】昔の面影は?京王線が地上を走っていたころの初台駅付近と現在の南口を見比べてみる(7枚)

その初台駅、これまで2回場所が変わっており、現在の地下駅は3代目だ。しかも地上にあった初代から地下駅の2代目になったあと、新宿―笹塚間複々線化によって地下のまま位置が変わるという、変わった経緯を持っている。

当初の駅名は「改正橋」

『京王電鉄五十年史』によると、京王線はまず笹塚―調布間が1913年に開業し、2年後に新宿まで延びた。初台駅は当初、改正橋駅と名乗っていた。

この付近の京王線は、玉川上水の河川敷を通っており、改正橋も玉川上水の橋の名前だった。しかしまもなく地名を取って初台駅に改称されている。

当時は初台駅だけでなく、新宿駅も地上にあった。しかもJR東日本や小田急電鉄の西側という今の位置ではなく、甲州街道(国道20号線)上の併用軌道でJR・小田急の新宿駅を越え、青梅街道が分岐する新宿追分あたりに駅があった。

第2次世界大戦中、新宿―初台間にある天神橋変電所が被災し、電車が甲州街道の陸橋を登れなくなったので、急遽新宿駅西口に起点を移設したのだった。同時に省線新宿駅前、天神橋、西参道の各駅は廃止され、新宿の次が初台駅になった。

ただし新宿駅が西口に移っても、駅を出て300mほどは併用軌道のままで、その先は玉川上水に沿っていたのでカーブが多く、スピードアップの障害になっていた。そこで京王電鉄では新宿駅および併用軌道区間の地下化に取りかかり、1963年に完成した。

2代目初台駅の誕生

ところがこの間、東京オリンピックの開催が決まり、甲州街道がマラソンコースになることから、初台交差点で交わる山手通りの踏切を立体交差化して渋滞を緩和することになり、翌年初台駅も地下化された。これが2代目初台駅だ。

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