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18、19歳成人でも喫煙・飲酒禁止はなぜ正しいのか 「成人なら喫煙や飲酒も自己責任」に危うさ

東洋経済オンライン / 2024年7月25日 10時0分

喫煙と飲酒の発覚により、パリオリンピックの体操女子代表を辞退した宮田笙子選手(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

パリオリンピック体操女子代表の宮田笙子選手(19)が、喫煙と飲酒の発覚により代表を辞退したことをめぐり、賛否両論が飛び交っている。

しかし、こうした意見の中には、喫煙と飲酒の禁止に関して事実認識を間違えているケースが多々見られる。

成人年齢は18歳でも、喫煙・飲酒は20歳以上

もともと喫煙については「未成年者喫煙禁止法」、飲酒については「未成年者飲酒禁止法」があった。しかし、民法改正により成人年齢は18歳に引き下げられたが、喫煙・飲酒は20歳以上のままだ。

未成年者は18歳未満、喫煙・飲酒禁止は20歳未満となったため、両法とも名称が変わり、「20歳未満の者の喫煙禁止法」、「20歳未満の者の飲酒禁止法」(両法とも正式名称はカタカナ表記)となった。

しかし、いまだに、未成年喫煙(飲酒)禁止法により未成年者の喫煙(飲酒)は禁止されているという記載やコメントが数多く見られ、今回の事案のコメントでも同様であった。

19日の日本体操協会の会見時ですら、協会側の谷原誠弁護士が「法令に関しては、未成年者の飲酒に関する法律がある」(抜粋、要約)と述べている。

宮田選手は19歳であり、民法改正により成人だ。しかし、喫煙・飲酒は禁止されている。当然、谷原弁護士はそのことはわかっているが、言い間違えているのだ。

このように識者や弁護士でも安易に言い間違える状況で、民法改正で「新成人」になったばかりの宮田選手が、自分は成人になったのだから喫煙も飲酒も大丈夫と勘違いしていたのではないかというコメントもみられる。

弁護士を含む識者の多くが「未成年者は喫煙・飲酒禁止」と述べている状況で、それを聞いた者が勘違いすることはありえるだろう。しかし、宮田選手自身は勘違いしていたとの認識は示していない。

そもそも成人年齢が18歳になったのだから喫煙・飲酒も18歳でよいではないかという意見もみられる。「ひろゆき」(西村博之氏)は7月21日のXでのポストで「本来18歳から成人なので飲酒喫煙も成人が自己判断すべきものなのに、法の不整備で飲酒喫煙禁止という謎状態」と述べている。

野口健氏も19日にXで「成人してもタバコ、酒がダメなままなのが理解できない。成人を18歳に引き下げた時に見直すべきだったのでは」と述べている。

成人年齢が引き下げられたそもそもの理由

そもそも成人年齢の引き下げはどのような理由だったのだろうか。法務省は以下のように説明している(同省HP)

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