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デリカミニ「前年比2倍」を達成できたうまい手法 イメージ戦略が成功したマーケティング好事例

東洋経済オンライン / 2024年7月26日 9時30分

デリカミニは、中身は同じでも、デザインと名称、そしてイメージを一新するだけで、売れ行きは変わるのだという、いい実例と言えるのではないか。

ただし、2024年度のデリカミニの販売は、4月:4130台、5月:2230台、6月:2082台と徐々に落ちてきている。ニーズが一巡したのであろう。今後のテコ入れが非常に重要という局面となっている。この夏の販売攻勢の結果に注目したい、という状況だ。

個人的には、以前のeKクロス スペースは、ターゲットを誤っていたのではないかと思う。eKクロス スペースの顔つきは、「アウトランダーPHEV」や「デリカD:5」と同じ、Xをモチーフにした「ダイナミックシールド」というデザインだった。力強さと先進性を訴える、男らしい顔つきだ。

しかしながら、スーパーハイトワゴンのユーザーは、子育て中の女性が中心となる。そんな女性に向けて、ダイナミックシールドは、ちょっと的外れだったのではないだろうか。

また、「eK+クロス+スペース」という名称も、論理的ではある一方、少々わかりづらい。前提として、eKシリーズ全体の編成を理解していなければならないというのは、クルマに興味の少ない人にはハードルが高いだろう。

それに対して、まるで犬のようなキュートな顔つきと、ペットネームのようなストレートな名称のデリカミニは、スーパーハイトワゴンを求める層にぴったりだったのだろう。

聞くところによると、デリカミニのCMなどに登場する、犬のような(?)マスコット「デリ丸。」の人気は絶大で、ぬいぐるみの売れ行きも絶好調だとか。

デリカミニの成功をどう生かせるか

クルマの販売は、性能云々よりも、ターゲットにあったデザインとイメージが重要であることが、eKクロス スペースからデリカミニへのリニューアルを見れば、よくわかる。

三菱自動車は、2024年2月に発売したピックアップトラックの「トライトン」も好評のようだ。こちらもオフロード4WDのピックアップというわかりやすいイメージが、功を奏していると言える。

三菱自動車が、これからデリカミニをどう成長させていくのか。そして、他モデルにこの成功事例をどう生かしていくのか。実に興味深い。

【写真】改めてデリカミニのスタイリングを見る(25枚)

鈴木 ケンイチ:モータージャーナリスト 

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