人間関係が劇的に好転「ムダな競争心」の捨て方 他人との比較は自分を卑下することにつながる
東洋経済オンライン / 2024年7月27日 18時0分
渋谷のど真ん中で売り上げを競う109店員と、張り込みや突撃取材で特ダネを狙う記者。その両方の経験を持つ山田千穂さんは、仕事を通じて「効果的な聞き方」を学んだそうです。
山田さんの新著『ずるい聞き方 距離を一気に縮める109のコツ』から抜粋し、3回にわたって「聞き方のコツ」を紹介します。
第1回:『元109店員で週刊誌記者が実践する距離の詰め方』
第2回:『週刊誌記者が実践「圧倒的に距離が縮まる」会話術』
負けるが勝ち
「とにかく人に負けたくない」という負けん気の強い人もいると思います。本気で勝負しなければいけない場面では、それが強みになるでしょう。ただ、人に好かれて人が寄ってくる人は、負けてもいいところで勝ちを譲るのが上手です。
たとえば、電車で席を譲る。外を歩いていて人とぶつかりそうになったら相手に道を譲る。大皿料理で最後の1個が残っていたら手をつけずに他の人に譲る。エレベーターで他の人に先に降りてもらう。
このように、勝ちを譲って小さな徳を積んでいる人は、本当に勝たなければいけないときのために、「勝ち貯金」をしているのです。
私は、大学時代に会ってみたい、話してみたいと思う方に会いに行ってみたり、そんなご縁でインタビューをする仕事をしたりしていました。これは、そのときにお会いした経営者で、特に大きな成功を手にしている方から聞いた話で、それから私も意識するようになりました。
人間関係も同じで、ガツガツして勝ちにこだわる人には近寄りがたい雰囲気がありますよね。それより、普段は大らかに構えて一歩下がるぐらいのスタンスでいるほうが、「ここぞ!」というときには勝ち貯金を使えると思うのです。
「おかげさま精神」を忘れない
これも、多くの経営者と接してきて感じたことですが、成功している人ほど腰が低いです。「おかげさまで、周りの人が支えてくれたから今の自分がある」ということを、みなさん異口同音におっしゃっていました。
どんなに成功してお金持ちになっても、驕り高ぶらず、「あなたのおかげ」「みんなのおかげ」という人は、人に好かれ、人に助けてもらえます。
逆に、驕り高ぶるとあっという間に人は離れていきます。
ある経営者の方に、失敗談についてお聞きすると、こんなお話をしてくださいました。「実は、今の会社の前に他の会社を経営していたんだ。しかし、会社が立ち行かなくなってね。そのときの一番の原因は『自分がすごいから経営が成り立っている』 と驕っていたことにあると思う」と。ある部下が辞めた途端に、さらにその下の部下が次々と辞め、あっという間に仕事が回らなくなったのだそうです。
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