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WR-Vから見た「フロンクスvsフリード」競争図式 ユーザー側から変わるコンパクトSUVの概念

東洋経済オンライン / 2024年7月27日 12時0分

横浜市内で実施された報道陣向け試乗会で、開発責任者の安積悟氏に、WR-Vとの違いを聞いた。質問の意図は、SUVテイストのフリードCROSSTARは、WR-Vと競合になるか。

フリードCROSSTARをコンパクトなSUVだという見方をすれば、ひとつ下の価格帯に位置するWR-Vと比較検討する人もいるのではないか、と考えたのである。

これに対して、安積氏はあくまでも「SUVのスポーティなデザイン特性」を理由に、「フリードとWR-Vのカテゴリーの違い」を強調するにとどまった。

また、フリードの競合車として、安積氏が挙げたのはトヨタ「シエンタ」「ルーミー」、ダイハツ「トール」の3車種。同じ3列シートのシエンタを挙げたことは当然としても、2列シートで価格帯も低いルーミー/トールの名前が出たことに、筆者は少し驚いた。

乗車定員や価格帯の違うルーミー/トールがフリードと競合になるとすれば、ユーザー視点ではフリードCROSSTARとWR-Vが同じテーブルに乗ることあるだろう。

フロンクス、WR-V、フリードCROSSTARの3車種は、ミニバンとSUVという違いはあっても、ユーザー目線では広い意味で同じカテゴリーにあるクルマのように思える。

クルマのカテゴリーの観点から、少し時代を振り返ってみよう。

まずミニバンは、日本特有のクルマ文化として、商用車(バン)が乗用車(ワゴン)の領域へと時間をかけて段階的に移行し、確立されていったものだ。

たとえば、トヨタ「タウンエース」などバン/ワゴンの両方を持っていた車種が、1980年代に入り乗用車化が加速。1990年にワゴン専用設計のトヨタ「エスティマ」が、1994年に背の低いミニバン、ホンダ「オデッセイ」が発売され、流行へ。

そして、1997年に日産「エルグランド」が高級車としての価値をミニバンに与え、2000年代以降は、トヨタ「アルファード」や「ヴォクシー」が乗用車として当たり前の存在になる、といった具合。軽自動車市場でスーパーハイトワゴンが浸透したことも、商用車から乗用車への移行だといえる。

海外ではどうか。アメリカでミニバンというと、子どもの送迎用途を強調した「サッカーママ(サッカーの練習への送り迎え)」のイメージが強調され、SUVとは別物であるという意識が強い。

東南アジアや中国では、旅行業者の送迎用として「ハイエース」需要が今も高い。一方で、アルファードを筆頭とした、乗用ミニバンへのニーズも増えている。

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