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ロックの神様不在でも「フェンダー」はなぜスゴい 東京・原宿の旗艦店は来客数が尻上がりに増加

東洋経済オンライン / 2024年7月27日 8時0分

フェンダーミュージック代表取締役社長。日本を拠点にアジアを統括する(撮影:梅谷秀司)

エレキギターの世界トップブランド、フェンダー。世界初となる旗艦店「FENDER FLAGSHIP TOKYO」を東京・原宿に開業して、2024年6月末で1周年を迎えた。

旗艦店は高級ブランドが立ち並ぶ明治通り沿いに位置し、カルチャーの発信地である竹下通りからも近い。2023年10月には、電子楽器メーカー「ローランド」や大手レコード会社「ユニバーサルミュージック」も、近隣に直営店をオープンしている。

旗艦店の狙い、そしてフェンダーの企業戦略とは。日本法人・フェンダーミュージック株式会社のエドワード・コール社長に聞いた。

――旗艦店のオープンから1年が経ちました。

【写真で見る】旗艦店「FENDER FLAGSHIP TOKYO」。旗艦店開業1周年を記念したモデル、日本製「漆ストラトキャスター」など

「FENDER FLAGSHIP TOKYO」に対する反響は素晴らしく、売り上げも好調だ。昨年のオープン以来、約35万人が訪れた。来店客の約7割が日本人で、最近は海外からの訪日観光客も増えており、中国、韓国、シンガポールなどからの来客が多い。

そして、多くのリピーターが何度も足を運んでくれている。ギターを買うのはまだ早いが、カフェで食事やお酒を楽しんだり、フェンダーのTシャツをお土産として購入したりするなど、利用シーンは多岐にわたる。この店がリラックスして落ち着ける場所と評されている証しだ。

日本のギター市場を広げた

――来客は想定以上でしたか。

これだけ継続的に来客数が伸びているのは信じられない。当初は大きな嵐が来て、その波が引き、横ばいになると予想していた。ところが、最初の数カ月と比べても、今のほうが来客数が増えている。

旗艦店は(家賃を考慮しても)ちゃんと利益が出ている。さらに特筆すべきは、旗艦店の出店の後に、国内の正規代理店の売り上げが前年同期比15~25%増えていることだ。旗艦店によって代理店のビジネスを奪ったわけではなく、日本のギター市場を広げることができた。

――なぜ、創業地のアメリカではなく、日本に出店したのでしょうか。

日本には洗練された審美眼を持つ消費者が多く、優れた小売り環境がある。だから私はフェンダーに入社したときに、東京に旗艦店を作るべきだと推薦した。

私は、ラルフローレン・ジャパンに勤め、長らく日本人を顧客として仕事をしてきた。そこで学んだのは、日本の消費者とうまく接することができれば、世界中のどの地域でもそれができるということ。

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