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みきゃんも推進する「ひと味違う」地域の交通 地場企業と歩む愛媛の「交通のリ・デザイン」

東洋経済オンライン / 2024年7月29日 13時0分

運営費は、NPO法人「まるっとおのくめ」の事務局が、個々人の利用料金(月定額3500円)や地元の協力事業者から会費を集める形で、行政からの支援はない。

この仕組みは、地域に根ざすトヨタネッツ瀬戸内が、日常業務の中で「お出かけが難しい」という地域住民の実情を肌で感じ、その解決策を住民と考えたことがきっかけで作られた。

同社としては、チョイソコはあくまでも手段のひとつであり、これからも意図(目的)をつねに明確にしながら効果を測り、さまざまな可能性を模索していくという。

カーディーラーは、広義においては交通関連事業者であり、こうした地域社会の交通に直接対応する事例は全国各地に存在する。ただし、一定の事業性を担保して持続的な活動となると、成功事例は少ない。

地域公共交通のリ・デザインに積極的な愛媛の地で、こうした試みが今後どのように発展していくのか。その進捗を注視していきたい。

Smart Codeが使える「みきゃんアプリ」

最後に、交通関連のデータから、愛媛県の地域公共交通を見てみたい。

いわゆるMaaS(マース:モビリティ・アズ・ア・サービス)については、伊予鉄グループと連携して2023年2月15日にサービスを開始した「みきゃんアプリ」が好評だ。県は、初期投資分などを支援している。

「みきゃんアプリ」を開発した、同グループ企業のデジタルテクノロジー四国によれば、ダウンロード数は6万2000人、交通利用は約14万回、加盟店舗は県内で1万店舗以上にもなるという。県内での決算、移動、情報をシームレスにつなぐシステムである。

また、2024年4月24日からは、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、TSUTAYA、コメダ珈琲店、サンドラッグなど、Smart Code加盟店でも決済が可能となった。Smart Codeは、さまざまなQRコード/バーコード決済サービスを一元化するスキームで、全国100万カ所以上で対応しているもの。

県内の交通は、鉄道、バス、フェリーなどで対応。コミュニティバスの導入事例では、南予地域の愛南町がある。

交通事業者のランニング費用は、ユーザーが支払った金額の決算手数料(2.0%程度)だ。そのほか、自治体向けにデジタル地域振興券の発券もできる。

今後については「みきゃんアプリ」プラットフォームを活用して、香川県、徳島県、高知県それぞれでアプリを立ち上げ、「四国エリア全体での交流人口の増加と地域の活性化を目指す」とのことだ。

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