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五輪で「米国に勝利した」バスケ日本女子の"金言" 東京五輪で銀、パリで金目指す女子バスケに必要なもの

東洋経済オンライン / 2024年7月29日 14時40分

常勝・アメリカにかつて勝ったことのある女子バスケの”先輩”たちの金言をお届けします(写真:今野けい子さん提供)

前回東京五輪で銀メダルを獲得し、パリでは初の金メダルに挑む女子バスケットボール日本代表(世界ランキング9位)。予選ラウンド初戦(日本時間30日4時開始)は、東京の決勝で敗れたアメリカ(同1位)といきなり対戦する。

〈写真)約50年前、女子バレーボールで世界選手権2位ながら獲得したMVP(最優秀選手)の記念カップを持つ片桐(旧姓・生井)けい子さん。また当時の五輪メンバーたちの貴重なカットも

1996年アトランタ五輪以来、団体競技最多の7連覇を達成し、目下五輪で55連勝を誇る「負けないアメリカ」に日本はどうやって立ち向かうのか。

「次こそ金メダルを」と気勢を上げる選手たちを後押しするのが、かつてアメリカを制した“先輩”たちだ。

先輩とは、1975年に世界選手権に出場し、アメリカなどを下し予選を1位通過した女子日本代表のこと。身長210センチの大型センター・セメノバを擁する最強軍団ソ連(現ロシア)に敗れはしたが、準優勝を達成した。翌1976年には女子バスケットが初めて正式種目になったモントリオール五輪で5位入賞。世界選手権に次いで、アメリカを2度倒した。以来48年間、日本女子はアメリカに勝っていない。

163センチの小柄でアメリカを翻弄した今野さん

この世界選手権、モントリオール五輪と2大会連続で得点王に輝いたのが今野(旧姓・生井)けい子さん(日体大教=当時)。今野さんは「今の選手はすごく上手。3点シュートがよく入って、私たちの時代のバスケットとはまったく違う競技に見えるくらい」と話す。

とはいえ、日本とアメリカの圧倒的な身長差などは、今と変わらない。当時も海外の選手たちは190センチ前後の選手は少なくなく、日本のレギュラークラスで最長身は170センチ台後半。そして163センチと小柄な今野さんがポイントゲッターとして試合の鍵を握っていた。

五輪で連覇を続けるアメリカを制した48年前の日本チームのメンバーたち。当時のユニフォームや寄せ書きなどの貴重なカットも(写真8枚)

今野さんたちは、変幻自在の守備陣形で相手を追い込む「忍者ディフェンス」と、ボールを奪い返したら瞬時にゴールに向かう「マッハ攻撃」を看板に、日本旋風を巻き起こした。このように戦術的なものも、今の日本代表と同じ路線だ。3点シュートがないだけで、試合の流れを変える激しいディフェンスやスピーディーな切り替えで相手を翻弄した。

モントリオール五輪は出場6カ国が総当たりするリーグ戦。今野さんは5試合で102得点した。鋭く切り込むドリブルとシュート力が持ち味。世界選手権で2位ながら最優秀選手賞に選ばれた攻撃力は日本の切り札だった。競った場面で最後のシュートをエースに託す「今野フォーメーション」まで存在した。

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