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五輪で「米国に勝利した」バスケ日本女子の"金言" 東京五輪で銀、パリで金目指す女子バスケに必要なもの

東洋経済オンライン / 2024年7月29日 14時40分

「最終的には自分がどうにかするんだって思わないと、やれません。チーム全員が最後は自分だっていう気持ちを持ってほしい」と今野さんはエールを贈る。

当時、ミーティングの中身は「アメリカ」に集中

現在の日本代表を率いる恩塚亨ヘッドコーチが先日、「48年前の女子日本代表がアメリカ戦を前にどんな準備をしたのか知りたい」と語っていた。そのことを伝えると、今野さんは「相手をよく知ることと」と短く答えた。当時監督だった尾崎正敏さんが五輪本番前に行われたプレオリンピックに出場したアメリカチームを視察するために自費で単身、渡航したことも教えてくれた。

「帰国すると、ミーティングはアメリカについてばかりでした。他の5カ国とも戦うのに、徹底的にアメリカ戦に向けた準備をしていました。監督さんから『アメリカに勝ったら70%メダルに手が届く』と言われ、私たちもアメリカ戦に集中しました」

当時のアメリカは女子バスケットに対し本格的な強化を始めたばかりだったが、ソ連に次ぐ優勝候補ではあった。そのアメリカに対し、日本は初戦で84対71で勝利すると、次は開催国カナダに121対89と大勝した。

ところが、最初の2試合の疲労もあってか3戦目でチェコスロバキアに62対76で敗れると、前年の世界選手権に出場していなかった伏兵ブルガリアに63対66の3点差で惜敗。ソ連にも大敗し2勝3敗で5位に終わった。

日本に負けたアメリカは3勝2敗ながら2位。日本はブルガリアにさえ勝っていれば、得失点で上回っていたアメリカをかわして銀メダルのはずだった。

銅メダルを首にかけられるブルガリアの選手を閉会式で見つめた日本選手たちは、どんなに悔しかったことだろう。当時のメンバーのひとりである片桐(旧姓・林田)和代さん(日立戸塚=当時)は「ブルガリアに私たちのプレーを全部読まれていた。今野さんたち中心選手がマークされて負けてしまった」と悔しそうに振り返る。

実は大会前、女子日本代表は当時IOCに所属していなかった中国での招待試合に参加した。強化試合の一環だ。そこにブルガリアも来ていた。片桐さんたちは快勝したが、そこで分析しつくされてしまったようだ。

「五輪の前にここで練習ゲーム試合さえしていなければ、日本チームのことなんてわからなかったはずです。ただ、そのときはブルガリアが練習試合に参加することをスタッフも知らなかったのかもしれません」

本番前に手の内をどれだけ見せたか

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