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「たった2行のはがき」で癒やせる"老親の孤独" ポストに投函するまでに5分もかからないはず

東洋経済オンライン / 2024年7月31日 16時0分

1通のはがきが無限の幸福につながることもあるという(写真:Mills/PIXTA)

「長く生きてきてわかったこと。それは『少しずつ変わること』が一番効果があるということです――」と語るのは、92歳になるシスターの鈴木秀子さん。鈴木さんによれば、行き過ぎた「向上心」は人の心を追い詰めてしまうことがあり、親しい人との関係を壊してしまうこともあるといいます。

あるがままの自分を尊重しながら、愛する人との関係を実り豊かにする。そのためには、どういった心の持ちようを意識すればよいのでしょうか。

※本稿は、鈴木さんの著書『ゆっくり変わる』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

大切なのは「完璧主義を目指さない」姿勢

私が「聖なるあきらめ」と呼んでいるものがあります。「目標の5割も達成できていれば、それでよしとして感謝する」という行動の指針のことです。平たく言うと「完璧主義を目指さない」という姿勢です。

この姿勢がもっとも力を発揮するのは、実は人間関係においてなのです。

たとえば「結婚相手に対して不満のない人」というのは、世の中に存在するのでしょうか。多くの方は配偶者に何らかの不平や要望を抱いていることと思います。中には価値観や性格の違いに悩んでいる方もいることでしょう。

私はそんな相談も多く受けますが、必ず申し上げているのは「結婚相手と、ソリが完全に合わないのは当たり前」ということです。結婚の目的の1つは「違いを補い合って、大きな実りにつなげること」です。

なぜなら、相手とのさまざまな「違い」に気づいても、「聖なるあきらめ」をもって受け入れ、2人で成長し合うことが、結婚の意味だからです。

相手とぶつかったら、「私とこの人は違うのだな」と「聖なるあきらめ」で乗り切る。そのかわり、2人で意見や考え方がぴったり合ったときは「1人のときにはなしえなかった実り」と感謝して、相手と喜び合ってほしいと思います。

育児の渦中にいる方にも、この「聖なるあきらめ」は有益です。親は子どもを自分の「分身」であるかのように錯覚してはいないでしょうか。自分が満たすことができなかった欲求を、子どもに満たしてもらおうと、心のどこかで思ってはいませんか。かなえられなかった夢を、子どもに託してはいないでしょうか。

しかし、子どもは未来からの「預かりもの」であって、あなたの所有物ではありません。子どもに対して、過剰に期待をせず、衝突をした場合は「聖なるあきらめ」の姿勢で接する。これが子育てでもっとも大切なこと。

ただし、あきらめるだけでなく、子どもが成長をしていくために親として子どもを支え導いていくことは、もちろん忘れないようにしましょう。

いつか必ず訪れる大切な人との別れ

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