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佐久間宣行「不祥事の渡部建」起用に学ぶ育成術 大バッシングが止まぬ中で再起の場を与える

東洋経済オンライン / 2024年7月31日 10時0分

佐久間宣行さんと渡部建さん(写真:佐久間宣行のオールナイトニッポン0のXより引用)

元テレビ東京の社員であり、現在フリープロデューサとして活躍する佐久間宣行さん。佐久間さんの人材育成ノウハウは、ビジネスマンにとっても参考になる部分が大いにあります。

【写真】『NOBROCK TV』や『トークサバイバー!』など、話題を呼ぶ佐久間さん

前回の記事ではインパルスの板倉俊之さんのエピソードから、本人の「可能性を見いだす」能力の重要性について紹介しました。後編の記事では、板倉さんや、アンジャッシュの渡部建さん、元AKB48の福留光帆さんの話を交えながら、引き続き佐久間さんの人材開発術について解説していきます。

マネジャーが一緒に挑戦の場に立つ

佐久間さんは脚本の執筆や、番組のプロデュースだけで、「あとは現場に行ってこい」と演者を放置するのではなく、佐久間さん自身が、時には一緒に場に立ちながら、演者と並走しています。

例えば佐久間さんのYouTube番組『佐久間宣行のNOBROCK TV』内で、板倉さんが「嫉妬した芸人ベスト10」を発表する企画がありました。

板倉さんは「20代の頃だったらマジなのは言えなかったかも……(笑)」と前置きしつつ、今だからこそ話せる本音を赤裸々に話してくれていました。自分にないものを持つ芸人たちに対して感じた悔しさや、嫉妬心を飾らずに話すのは勇気がいることです。板倉さんの話は、人間味があってぐっと引き込まれます。

そんな企画で、佐久間さんは時に笑い、時にツッコミ役になり、何を話しても受け止めてくれる安心感のある雰囲気で、板倉さんの話の聞き役になっていました。一緒に場に立ち、試行錯誤しながら、信頼関係を醸成していったからこそできた企画なのではないかと思います。

この話を企業の人材育成に置き換えてみても、部下に「ああしろ、こうしろ」というと反発されたり、理解されにくい場合も、上司が時には場に立ちながら誰よりも本気で向き合う姿勢を見せていれば、おのずと周りも引き込まれて本気で取り組むようになるのかもしれません。それが全体の士気やレベルの底上げにつながります。

失敗した人材に、再起の場をつくる

さらに佐久間さんは、いわゆるくすぶっている“ミドル芸人”の、新たな活躍の場を作るのが非常にうまいと思います。これらのケースでも、共に場に立ちながら再起の場を作っています。

お笑いの世界において才能のある若手がどんどん出てくる一方で、見上げれば大御所の芸人さんばかり。その構造の中で、大体40歳前後のミドル世代の芸人はくすぶりやすくなってしまいます。またミドル世代の芸人の中には、自身の冠番組が終了したり、不祥事を起こしてテレビに出る機会を失う、あるいは失言をきっかけに世間からヘイトを集めてしまうケースも見受けられます。

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