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千里中央、北大阪急行延伸で「地盤沈下」進むのか 終着駅から中間駅になったニュータウンの中心

東洋経済オンライン / 2024年7月31日 7時30分

北大阪急行の千里中央駅に到着する列車。2024年3月の延伸で終着駅は「箕面萱野」に(撮影:伊原薫)

2024年3月、大阪の鉄道網が書き換えられた。北大阪急行電鉄(以下「北急」)が進めていた延伸事業が完了し、千里中央(豊中市)―箕面萱野(箕面市)間が開業したのである。

【写真20枚以上】大型商業施設「千里セルシー」は閉館、かつての「大丸ピーコック」の建物もすでにない、千里中央の今

これまで箕面市内には阪急電鉄の箕面線しか鉄道の駅がなく、大阪市内へ出るには少し不便な状態だったのだが、北急の延伸によって梅田や難波、天王寺と直結され、利便性が飛躍的に向上した。

箕面市悲願の延伸区間

北急の延伸は、箕面市にとって半世紀以上にわたる悲願だった。箕面市は街づくりや市の交通戦略などにも盛り込み、国から補助金の増額を取り付けるとともに、1990年代から整備基金を積み立ててきた。

さらに、市が主催する住之江競艇場での競艇事業の収益金も充てる形で、市が整備主体となる箕面船場阪大前―箕面萱野間の構造物などの整備費用を捻出。これが延伸の大きな後押しとなった。

【写真】北大阪急行の箕面萱野への延伸開業で、地下にある千里中央駅の人の流れは変わった。一方、地上の駅周辺の様子は?(20枚以上)

新たな終点となった箕面萱野駅の周辺では、従来からあった大型商業施設が新館をオープン。駅前広場やバスロータリーも整備された。中間に設置された箕面船場阪大前駅でも、コンサートホールや図書館、大学のキャンパスが次々に建てられるなど、新たな街ができつつある。

一方、北急の開業以来54年間にわたって終着駅の座を守ってきた千里中央駅は、延伸により中間駅となった。ほぼ全列車が箕面萱野方面に直通しており、千里中央駅を始発駅とする列車は初電の1本のみ。千里中央行きの列車はゼロである。

当然ながら、列車の行き先表示や各駅の案内表記は「千里中央」から「箕面萱野」へと変わっているが、延伸から4カ月が経ってもまだ慣れない。

だが、住民にとっては“慣れない”というレベルの問題ではない。始発駅から中間駅になったということは、これまでは朝ラッシュ時でも並べば確実に座れたのが、今後はそうはいかなくなるということである。実際、北急には「延伸後も千里中央駅始発の列車を何本か残せないのか」といった沿線住民の声が届いていたという。

延伸で人の流れが変わった

7月上旬の平日朝に筆者が現地で確認したところ、確かに最も混雑する時間帯は空席のない列車があったものの、ピークは思ったほど長くなく、それが過ぎれば千里中央駅からも座ることができた。

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