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「半世紀ぶり有人月面着陸」日米は何を目指すのか 動き出した「アルテミス計画」とはいったい何か

東洋経済オンライン / 2024年8月1日 18時0分

月面活動では、月の南極付近に氷の状態で存在するとみられる水資源の探査、鉱物資源の探査をします。月面で水を水素と酸素に電気分解することにより、ロケット燃料を自給できます。

火星に行く場合、地球からロケットを打ち上げるよりも、重力が6分の1の月面から打ち上げるほうがずっと効率的です。月に存在する鉄やアルミニウムなどの鉱物は月面基地を築く材料になります。

NASAは2021年、月着陸船の開発・運用に、SpaceXを選定しました。2022年11月、「アルテミスⅠ」として、SLS(Space Launch System)ロケット打ち上げと、米ロッキード・マーティン社が開発した無人宇宙船「オリオン」の試験飛行が実施されました。オリオンは月面から約100㎞まで近づき、月周回軌道を飛行した後、地球に帰還しました。

2023年5月、NASAはアルテミスⅤの月着陸船の開発についてBlue Originと契約したと発表しました。現時点で発表されているアルテミスⅡ以降のタイムラインは以下のようになっています。

アルテミスⅡ:有人の月周回試験飛行(2025年9月予定) アルテミス計画初の有人ミッションです。宇宙飛行士4人が宇宙船オリオンに乗り込み、月周回軌道を飛行してさまざまな試験、実験をした後、地球に帰還します。

アルテミスⅢ:半世紀ぶりの月面着陸(2026年9月予定) アポロ計画以来、半世紀ぶりとなる有人月面着陸を目指します。宇宙飛行士4人が宇宙船オリオンに乗り込み、月周回軌道で待機している月着陸船と合流します。女性飛行士、非白人飛行士が月着陸船に乗り換え、月面に着陸します。 氷や土壌などの試料を採取し、月着陸船に乗って月周回軌道に戻ります。宇宙船オリオンと再合流し、地球に帰還します。

アルテミスⅣ:ゲートウェイ組み立て拡充(2028年予定) 月周回有人拠点「ゲートウェイ」拡充のためのミッションです。宇宙飛行士4人が宇宙船オリオンに乗り、ゲートウェイに欧州および日本製の国際居住棟「I‐HAB」を運びドッキングさせます。 4人のうち2人はゲートウェイで月着陸船に乗り換えて月面に着陸します。資源探査などをした後、月着陸船で月面からゲートウェイに戻ります。4人はゲートウェイから宇宙船オリオンに乗り込み、地球に帰還します。

アルテミスⅤ:月面探査車による月面活動拡充(2029年予定) 4人の飛行士が宇宙船オリオンに乗り、欧州製の燃料補給・通信モジュールとカナダ製ロボットシステム、月面探査車をゲートウェイに運びます。 アポロ計画では、合計12人が月面着陸を果たしましたが、全て米国の白人男性でした。アルテミス計画では、女性や米国以外の宇宙飛行士にも活躍の機会を提供する理念を掲げています。

日本が開発する月面探査車

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