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南果歩が語る「読み聞かせ」の力と被災地への想い 誰もが「日々物語を求めている」 被災地も同じ

東洋経済オンライン / 2024年8月1日 11時0分

「やはり実際に顔を合わせるのが一番だと思います。ただ、どうしても一度にお会いできる人数は限られるので、今後も現地に訪れることを続けながら、動画の読み聞かせチャンネルもつくれないかと思っています。

私のお気に入りだけでなく、皆さんのお気に入りをうかがいながら読み聞かせ動画を増やしていきたいです。『これを観たら、眠れます』というコンセプトで、子どもも大人も、みんなうとうとしてほしい。

読み終わるまで起きていないでほしい(笑)。そんな癒やしのチャンネルをつくれたらうれしいです」

南さんの活動は国内にとどまらない。今年5月には、カンボジア・プノンペンの日本語学校や孤児院を訪れて読み聞かせを行った。

「孤児院を訪れたときには、私が日本語で読んで、現地の通訳の方がクメール語に訳してくれました。言語が違ってもみんなよく聴いてくれて、『もっと読んで』『もっと読んで』と言ってくれました。

カンボジアは、もともと行きたかった国で、たまたまチャンスがめぐってきましたが、ぜひまた海外で読み聞かせをやってみたいです」

動画の読み聞かせチャンネルの検討、海外での読み聞かせ活動に加え、南さんは現在絵本の次回作も構想中だという。活動の幅を広げ、進化する南さんの読み聞かせは、この先きっと、より多くの人、より多様な人の笑顔につながっていくだろう。

「できること」で被災地と関わりを

最後に、実際に能登を訪れ、現地の方々と対話されたうえで、いま被災地に対して思うことを南さんに聞いた。

「今回は震災後初めて能登に行って、街中の瓦礫の撤去もスタートできていないことに愕然としました。

東日本大震災のときは、現地に行くたびにトラックが街中を走っていたり、撤去物を廃棄するごみ置き場がいたるところにできていたり、どんどん街の姿が変わっていくっていくのを目の当たりにしてきましたから。

能登半島の立地が厳しいのも理解できますが、それにしても復興はまだまだだと痛感させられました」

そんな状況を前に、まずは、知ることから始まると南さんは言う。

「能登とそれ以外の地域では、温度差があるように感じます。震災が発生してから半年以上が経ち、東京にいると、意識しない限り時折しか能登のニュースが入ってきません。

でも、能登に行くと、毎日現地のニュースに接するわけです。人間って普段見聞きしていないことはどんどん風化させていってしまいます。ですから、まずは被災地の今を知ろうとすることが第一歩になると思います」

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