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特別支援学級の先生語る「子と親の対応」の苦悩 プライベートでも発達障がいの子供と向き合う

東洋経済オンライン / 2024年8月1日 10時0分

今、山田先生が公立小学校で自閉症・情緒障がい特別支援学級の担任をしているのも、3男の存在が大きく影響しています。

「特別支援学級の担任になることを希望し始めたのは6年前です。我が子がそうでなくても一度は担任をしたいとは思っていましたが、そのきっかけになってくれたのは、自分の子どもの存在ですね。自閉症・情緒障がい特別支援学級の生徒について詳しく知ることで、我が子が予想できない動きをすることをもっと深く理解したいと思っていました。そういう経緯があって希望を出して、5年ほどは配置のタイミングが合わなかったのですが、去年から担任になることができました」

担任を務めることになってから、改めてその大変さがわかった山田先生。そのうちの1つには業務の増加量があると言います。

小学校の先生は、週にだいたい24コマの授業をこなします。地区にもよりますが、山田先生が働く地域は平均で週4コマの空き時間があり、その時間を授業の準備や資料の作成などに当てているそうです。

ただし特別支援学級では、週に28コマ入っていて、空き時間がないと山田先生は語ります。

通常学級の担任の先生であれば、音楽や家庭科の授業のときには専門の先生がいるため、その時間は空き時間になります。

ところが特別支援学級の子どもの場合は、みんなと一緒に授業には行かず、1人だけ教室に残っている場合もあります。その場合、誰かがいて勉強を見ないといけなません。そのため特別支援学級の先生が教室に残り、生徒の勉強の様子を見る必要があります。

労働量の多さを改善したくてもできない

周囲の先生方もみな、労働量の多さを改善したほうがいいとは考えているものの、物理的に難しい現状があるようです。

「業務量を減らすためには、空きがある先生がそれぞれ助け合う、職員の共通理解が大事です。とはいえ特別支援学級の担任の先生全員が空き時間がないケースがあります。今のご時世は教員不足です。うちの学校も5年生の理科や、5〜6年生の家庭科を見る先生がいなくて、5〜6年の担任が家庭科や理科を教えている状況です」

さらに業務過多はそうした物理的な要因には限らず、特別支援学級だからこそ増えている要因もあるそうです。

学校にもよりますが、山田先生の学校ではそれぞれの子どもに応じた支援計画を考えて、書類を作らないといけません。学期の初めと終わりに1回、全員分の特性を詳しく把握して作成する必要があります。

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