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「60歳おじさんの寝坊」に1万人が「いいね」のナゾ 知っておきたいSNSのポイントは若者に聞け

東洋経済オンライン / 2024年8月2日 15時0分

あるとき、私は大寝坊してイベントに大幅に遅刻するという失敗をやらかしてしまいました。

焦りながら現場に向かう途中、ふと彼女の助言を思い出し、あわてふためく自分を撮影し、その様子をInstagramとX(旧Twitter)に投稿しました。その結果、1万人もの人たちがその動画を見てくれることになったのです。

「おじさんの遅刻」という、ある意味どうでもいい動画を、これほど多くの人たちが見てくれるという状況はなんとも不可解ですが、現実に起こったことでした。

その驚くべき経験をして以来、Xを投稿するときは、事前に20代の部下に添削してもらうようになりました。エステー時代は役員だった私が、一般職の社員に添削を受けるというのは、一昔前には考えられない光景だと思います。

「もっと言い回しを柔らかくして」「ちょっとまわりくどい」。このように、びしばし問題点を指摘され、「やば! 昭和! 爺さんくさ!」と、厳しく叱咤激励されます。

でも、この感覚に素直に従うことで、Xの拡散力は格段に上がります。確実に「いいね」を押される数が数倍に増えたのです。

Xの投稿案はあらかじめ、部下のスタッフに見てもらっています。

私たちがこれまで学校で教わった文章力や、社会に出てから知ったビジネス文書の作成スキルはそれはそれで重要な財産です。

他方、SNSではSNSの文脈に沿った言葉使いが大切です。日頃からSNSに親しみ、使い慣れている人たちに聞くのが近道なのです。

SNSの発信で押さえたいポイント

テレビや新聞、雑誌、ラジオといったマスメディアを使わないと、広く世の中に情報を提供できなかった時代には、広告費用はそれなりに必要でした。

情報を人に届けることを「リーチ」という言葉で説明することがあります。「何人にリーチして、それはいくらかかるのか」という会話がマーケティングの世界ではなされています。

「広告費にかける予算がないから、無料のSNSで拡散して知ってもらおう」。そんな声もよく耳にします。

確かに、SNSは無料でたくさんの人にリーチすることができます。多くの人に蛇口から水を出して届けるイメージです。

しかし、SNSは個人個人が自主的に集まった場所です。集まった人はそれぞれ違う個性を持っています。そこに向かって情報を伝えるにあたって、私たちは「仲間の1人」として、その場にお邪魔させていただくという姿勢が必要不可欠です。

上から勢いよく水を流すのではなく、横から水をそっと差し出す。すると、仲間が思い思いに楽しんでくれる。それが世の中に広がり、どこかで大きなエネルギーになったとき、ムーブメントと呼べるものになっていきます。

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