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「60歳おじさんの寝坊」に1万人が「いいね」のナゾ 知っておきたいSNSのポイントは若者に聞け

東洋経済オンライン / 2024年8月2日 15時0分

このとき、ただ単に情報を渡す対象者、例えば「フォロワーを増やす」といった風に躍起になったとしても、うまくいかないことがほとんどです。何の絆も存在しないフォロワーさんを大量に集めても、ブームは起きないのです。

むしろ、人数は少なくても構わないので、あなたがやっていることに共感・共鳴し、仲間意識を持ってくれる人を大切にしてください。SNSだからこそ、お客様と絆を作り、そして彼らと一緒にブームを作るのです。

皆さんの仕事には、さまざまな関係者の方たちがいると思います。活動に興味を持ってくださるお客様や地域の方々、広い意味での「関係者」の方たちと絶えず交流しながら絆を作っていきましょう。

その輪が広がり、ますます絆を分かち合える人が増えていく。そういうフォロワーさんが増えていけば、世の中に何かを伝えたいときに、彼らが一緒になって伝えてくれます。

フォロワーさんは「仲間」だという意識をどうか忘れないでください。

スープストックトーキョーの炎上

このように、実直に自分の想いを伝えることは大きな力になります。その好事例の1つが、Soup Stock Tokyo(以下、スープストック)による情報発信です。

2023年4月、スープストックは離乳食の無料提供を発表しました。SNSでは歓迎する声が上がった一方で、「なぜ子ども連ればかり優遇するのか」「店がうるさくなる」「二度と行かない」といった批判の声も殺到します。

こうした批判をさらに批判する書き込みも相次ぎ、“大炎上”とでも呼ぶべき大騒動に発展してしまいます。

「離乳食の無料提供」のリリースから1週間後、スープストックは会社としての声明を発表します。そこにはスープストックが「世の中の体温をあげる」という企業理念のもと、これまでどのような取り組みを行ってきたかが述べられていました。

また、創業当初は「1人で来店する女性」だったお客様像を「離乳食を求める子ども連れ」にまで広げるのか、そこにある思いをしっかりと伝えました。

こうした炎上騒動に対する企業の対応として、ありがちな「お騒がせして申し訳ありません」といったお詫びが一切なかったことも話題になりました。スープストックの毅然とした態度に、世の中の人は拍手喝采です。

「共感」を大事にする

X(旧Twitter)には通常の約200倍もの投稿があふれ、さまざまな人がスープストックの声を広げていきました。

スープストックはお客様を「顧客」「ターゲット」扱いせず、「共感のネットワーク」を大切にしているのが伺えました。

まさにマーケターの鑑ともいうべきアクションです。

「突拍子もない行動をとれば、拡散され、ブームが生まれる」というのは大きな誤解です。

この事例のように、自分たちの信念をしっかり届ける。それこそが、本質のあるムーブメント作りだと思います。

誰に何で喜んでいただくか、それを明確にブレずにやり続けることが大切なのです。

鹿毛 康司:株式会社かげこうじ事務所代表/マーケター/クリエイティブディレクター

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