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【衝撃事実】「巨大隕石の地球衝突」は必ず起こる 人類が確実に逃げ切る「5つの秘策」とは?

東洋経済オンライン / 2024年8月2日 10時0分

失敗したら大変なことになるだけに、問題山積なのです。

【2】 宇宙船をぶつける

2つ目は、天体に宇宙船をぶつけるという策です。

これは、NASAによってすでに実証実験が行われています。

2022年、直径780メートルと直径160メートルの小惑星のペアに対して、重さ600キロの宇宙船をぶつけたのです。

「小さな宇宙船を小惑星にぶつけて破壊するの?」と思った人もいるかもしれません。

しかし、必ずしも小惑星を破壊する必要はないのです。

宇宙船をぶつける目的は、その軌道をずらすこと。小さいほうの小惑星に宇宙船を命中させて軌道を少しでもずらし、重力を及ぼし合う大きいほうの小惑星の軌道をずらすことを目的としているのです。

地球までの道のりが長ければ、わずかな軌道のずれでも地球衝突を回避できる。そういう作戦で、実験は無事に成功し、効果的な方法であることが確認されています。

衝突までに余裕があれば、軌道をずらすことも

【3】宇宙船を横づけする
【4】帆をつける

3番目と4番目も発想は同じです。

天体に宇宙船を横づけして、その重力で少しずつ軌道をずらすという方法。

あるいは、天体に帆をつけて、太陽光の圧力によって軌道をずらすというような方法です。

地球への衝突までに余裕があれば、これらの方法でも十分に回避することができます。

【5】地球から逃げる

危険な天体の発見が遅れて、気づいたときにはすぐ近くにいたら……諦めて、ダッシュで逃げる! それしかありません。

軌道が正確にわかれば落下地点もある程度予測できますので、危険地帯にいるとわかれば、そこから避難する方法が最も現実的です。

もし地球が丸ごと全部ヤバいとなったら……いよいよ、月か火星に逃げるしかありません。

「地球のピンチ」に世界で協力できるか

でも、実際に月か火星に移住するなんて可能なのでしょうか。

じつは宇宙開発の目的のひとつには、万が一のための「種の保存」も含まれています。現在計画されている月探査や火星探査が順調に進んでいけば、移住は不可能ではないでしょう。

しかし、地球にはたくさんの生き物がいますし、人間が築いてきた文化や文明もあります。

なるべくなら月や火星に逃げることなく、地球に住みつづけていたいというのが本音ですよね。

地球上の生き物の暮らしを守ろうと思うなら、天体衝突も地震や豪雨のような自然災害だと認識して備えることが大事です。

そのためには、世界中で協力し合って危険な天体をなるべく早く検知する「見つける技術」と、衝突を回避する「よける技術」を万全にしておく必要があります。

宇宙開発を通じて世界が手を取り合う良い機会になるといいですね。

井筒 智彦:宇宙博士、東京大学 博士号(理学)

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