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クマを愛するYouTuberがクマに襲われ危機一髪 クマとの遭遇予防策は? "おにぎりグマ"とは?

東洋経済オンライン / 2024年8月2日 8時0分

ツキノワグマは雑食で、ドングリなどの木の実やトウモロコシ、タケノコといった植物食が主だ。一方で、オスは子連れの母グマと交尾するためなら、子グマを襲って食べることが知られている。つまり、もともと肉を食べる習性はあるのだ。

農水省の推計によると、本州以南に生息するニホンジカは、1989年から20年間で約9倍に増加している。シカの個体数増加に伴って、罠に掛かったまま長時間放置されたシカや、山林内で死んだシカを容易に食べられる環境が生まれ、肉を食べることが習慣化したと佐藤さんは考えている。

鈴やラジオが"おにぎりグマ"を呼び寄せる

もう一つが、人に慣れたクマの増加だ。

2024年には青森県でサイレンの音を鳴らしながらタケノコ採りをしていた女性がクマに追いかけられ、リュックの中のおにぎりを奪われるという事案が発生。タケノコ採りの間に、近くに置いた食料が食い荒らされたというケースもある。

「クマは学習能力の高い生きもの。一度、美味しいものを簡単に手に入れた経験を持ってしまったクマは何度も同じ行動に出る」と警告する。さらに恐ろしいのは、人間の存在を知らせるサイレン音やクマよけ鈴が、かえってクマを寄せ付ける可能性があることだ。

ツキノワグマの寿命は15~20年程度。一度味をしめたクマが何度もその場所に来る可能性があるほか、母グマの習性から学んだ子どもにも引き継がれれば、クマ出没の連鎖は続いていくことになる。

「人を襲っても、人から攻撃されないことを学んでしまったクマは何度でも来る」と佐藤さんは指摘する。

クマとの遭遇をいかに防ぐか

クマを愛する佐藤さんだが、"おにぎりグマ"や市街地に出てくるクマは「捕獲するしかない」という。折しも、これまで市街地に出たクマを捕獲するための猟銃の使用は原則禁止とされてきたが、相次ぐ人身被害を受け、2024年には規制緩和に向けた議論も進み始めた。

一方で、クマに遭遇するリスクは、市街地よりも山の中のほうが高いことは言うまでもない。遭遇リスクを減らすための対策を佐藤さんに聞いた。

①50m以内にクマを入れない

佐藤さんがこだわるのは50m以内にクマを入れないこと。50m程度の距離があれば、音を出して存在を知らせれば、一般的なクマであれば逃げていくことが多い。クマより先に気づくことが何より重要だ。

②速く歩かない

登山やハイキングで山を歩く人の中にはスピードを重視する人たちもいるが、すばやく動くと、クマがこちらに気づくのが遅れ、接近してしまう危険が高まる。特に笹薮など視界が良くないエリアではゆっくり歩いたほうが良い。

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