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犬をデキ愛「徳川綱吉」令和にも通じる深い信念 生類憐みの令の印象が強いが、意外な一面も

東洋経済オンライン / 2024年8月2日 11時30分

そう思う人もいるかもしれない。けれども、当時は今の私たちが暮らす社会とは、比べものにならないほど、残酷な世の中だった。

別に恨みがなくても「切り捨てごめん!」と、刀の切れ具合を試すためだけに、武士が人を斬ることが平気で行われていた。戦国時代の武力がすべてだった時代をまだ引きずっていたのである。

こうした価値観をガラリと変えて「命を大切にしよう!」とみんなに思ってもらうには、「生き物を大切にしよう!」と訴えなければならない。マジメな綱吉はそんなふうに考えたようだ。

ちょっと理想が高すぎて、周囲にはなかなか理解されなかったけれど、人を斬って当たり前の時代に、綱吉が「動物の命さえも奪ってはならない」と説いたのは、人々に慈悲の心を定着させようという強い思いからだった。

綱吉が法律の目的をもっと丁寧にみんなに説明していれば、「命を大切にした名リーダー」として名を残したかもしれない。

「嫌われ者」にはある共通点がある

綱吉のような嫌われ者たちには、ある共通点がある。それは「自分の信念に基づいて行動をした」ということ。これは、実は「嫌われ者」と正反対の、人気のある英雄たちにも言えることだ。

「無能で何もしなかった」と思われがちな人物さえも、よく調べれば、誰かのためを思い、行動を起こしていた。ただ、ちょっとやりすぎてしまったり、目的がうまく伝わらなかったりして、誤解されてしまっただけ。あとから評価されることも多い。

長い人生においては、どうもあまり好きではない人物と、時間をともにしなければならないときも、あるはず。そんなときには、ぜひ本書で「嫌われ偉人」たちに思いをはせてみてほしい。
ちょっと苦手だった人物の意外な一面を探る、きっかけの一つになるかもしれない。

真山 知幸:著述家

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