TGV施設破壊で混乱､パリ五輪の｢鉄道輸送｣事情 地下鉄は運賃2倍に､市民はどうしている？

観戦客によれば、競技の終了後は帰路に就く観戦客が駅に殺到。すさまじい混雑に巻き込まれてしばらく駅に入場できないなど、最後まで観戦していると会場エリアから逃れるのに一苦労だという。

日本代表が最終盤で大逆転しブラジルに勝った女子サッカーの試合を観に行っていた日本人女性は「駅が混み合うと思って、後半40分過ぎにスタンドから離れた。劇的シーンが見られなかったのは一生の不覚」と嘆き悲しんでいた。

開会式当日朝に起きた同時攻撃による損傷箇所は、鉄道員らの努力もあって、発生後およそ2日半後にはほぼ原状復帰ができた。一方で、フランス国内では携帯電話会社の施設が壊される被害が頻発しているという。

パリ五輪の組織委や地元自治体は順調な大会運営を目指して、努力を続けてきた。パリ五輪・パラリンピックが交通機関はもとより、あらゆる面においてトラブルなく進み、さらなる混乱が起きないことを強く願っている。

さかい もとみ：在英ジャーナリスト