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日本が「金利ある世界」に戻り、損する人と得する人 預金と住宅ローン以外にも大きな影響が及ぶ

東洋経済オンライン / 2024年8月2日 8時0分

金融政策決定会合後に記者会見する日銀の植田和男総裁(写真:ロイター/アフロ)

日銀は7月31日の金融政策決定会合で、政策金利の引き上げを決めました。無担保コール翌日物金利の誘導目標を0~0.1%程度から0.25%程度へ、15年7カ月ぶりの水準とします。日本が「金利ある世界」に本格回帰する中、どういう人が得をするか、損をするかを考えてみましょう。

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預金と住宅ローンに与える影響

世の中のさまざまな金利の中で、国民にとって最も関心が高いのが、預金金利と住宅ローン金利でしょう。今後この2つの金利が上昇し、国民生活に大きな影響を与えます。

まず預金金利について。今回の利上げを受けて、早速、主要銀行が預金金利の引き上げを発表しました。今後の動向は不透明ですが、植田和男日銀総裁は利上げの継続を示唆しており、さらに上昇する可能性が高いでしょう。

7月31日現在、みずほ銀行の場合、普通預金0.020%、3年定期預金で0.150%という歴史的な超低水準です。1990年代前半まで1年定期預金が概ね4%以上あった(たとえば1990年12月末6.08%)ことを考えると、今後1~2%上昇しても不思議ではありません。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年」によると、二人以上世帯の平均貯蓄額は1307万円、60代に限ると2026万円です。

仮に、預金など金融資産の金利が1%上昇したら、全世帯で13万円、60代で20万円の利息収入増になります。2%上昇したら全世帯で26万円、60代で40万円の収入増です。広く国民に好影響が及びますが、とりわけ金融資産残高が多い高齢者に有利に働きます。

住宅ローン金利はどうでしょうか。現在、みずほ銀行の場合、変動金利で0.375~0.875%、固定金利の場合0.95~2.60%という超低水準です。

前出の調査によると、世帯主の年齢別でローン残高が最も多いのが、30代の1736万円。ローン金利が1%上昇したら17万円、2%上昇したら34万円の利息負担増になります。住宅ローンの残高は30代に次いで40代が1480万円と多く、現役世代にとって大きな負担です。

つまり、大まかに言うと、「金利ある世界」は、高齢者に有利に、現役世代に不利に働くのです。

変動金利で借りている人はどうするべき?

ところで、住宅ローンを変動金利で借りている人は、本格的に金利が上昇する前に固定金利に借り換えるべきでしょうか。

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