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トッププロの使用率9割、日本製ゴルフ道具が熱い 「電線のフジクラ」がシャフトを作り始めた理由

東洋経済オンライン / 2024年8月3日 7時0分

松本会長はさっそく世界で初めてカーボンシャフトを商品化したアメリカのALDILAに技術提携を申し込むが、断られてしまう。それでもあきらめず、自社の技術を生かし、開発・解析・評価・生産技術をイチから作り上げた。

原材料であるカーボンの購買先からの情報などをもとに、スチールシャフトにカーボンを巻くなど試行錯誤をしつつ、独自開発で技術を蓄積していく。そして、1974年に福島の原町工場にCS(カーボンシャフト)課を設けて生産を始め、同年5月にカーボンシャフト「Flyrun(フライラン)」を発売した。

「リシャフト」で知名度を上げる

当時、カーボンシャフトを製造していたのは、オリムピック釣具と日東電工、フジクラの3社で、フジクラは比較的小さなメーカー向けに販売を開始。1980年代に入りクラブのヘッドの素材がパーシモン(柿の木)からメタルに変わると、フジクラはアメリカのヘッドのメーカーにカーボンシャフトの供給を始めた。

フジクラがシャフトの知名度を上げたのは、「リシャフト」ともいえるだろう。

リシャフトとは、もともと付いているクラブからシャフトを外して、違うシャフトに交換することをいう。フジクラは、1995年に試打などができるゴルフクラブ相談室を東京・世田谷にオープン。当時は予約が半年先になるほど盛況だった。

追い風となったのは、2008年ゴルフルール改正だ。シャフトとヘッドが簡単に交換できるシステム(ゴルファーの間では“カチャカチャ”と呼ばれている)が認められ、誰でも簡単にシャフト交換ができるようになった。

飯田氏は「以前は圧倒的に男性が多かったのですが、最近は女性やシニア向けのラインナップが増えたこともあり、女性同士やご夫婦で、また初心者でもフィッティング(自分に合ったシャフトを探すこと)に来られる方が増えてきています」と話す。

アマチュアも自分に合った道具を探す

シャフト選びで重要なのは振りやすいか振りにくいかということで、そこが飛距離と方向性につながっていく。

「自分のポテンシャルを最大限に出せるシャフトを求めるようになってきています」(飯田氏)

話を五輪に戻そう。

各メーカーはシャフトの外観のデザインに工夫を凝らしていて、自社のブランドがわかるようにしているので、どの選手が日本製のシャフトを使っているのか、一目瞭然だ。参考までに各シャフトの特徴を示しておこう。

どの選手がどんなシャフトを使っているのか、チェックしてみてほしい。

フジクラ(ベンタス):飛距離とコントロール性を両立させたアメリカ発のシャフト
三菱ケミカル(ディアマナ):トッププレーヤーが求める、しっかりとした振り抜きと強弾道を導くシャフト
グラファイトデザイン(ツアーAD):プロ・アマ問わずすべてのゴルファーに「気持ちよく振れる」ことをコンセプトにしたシャフト

嶋崎 平人:ゴルフライター

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