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パリ五輪「誹謗中傷やめない人」の驚く"思考回路" 「嫌ならSNSやめろ」と言う人に知ってほしいこと

東洋経済オンライン / 2024年8月3日 10時0分

個人名を特定して本人や所属先のSNSなどに誹謗中傷を書き込む人がいますが、よほど悪質なケースを除けば、誰か1人を責めたところで何も変わらないのです。

その点、誤審疑惑が頻発している柔道は「審判が権力を持ちすぎ」という声も目立ちますが、これは個人ではなくルールや体制の不備、機器の不足などを問題視しているため誹謗中傷ではありません。

ただ難しいのは、「『誰か1人を責めたところで何も変わらない』ことをある程度わかったうえで誹謗中傷してしまう人が増えている」という現実があること。

個人的なストレス発散のために誰かを傷つけようとする人は言語道断であり、これから法整備やプラットフォーム側の対応などで改善していくべきところでしょう。

それよりも深刻なのが、個人的なストレス発散が目的ではないのに誹謗中傷してしまう人。なかでも、日ごろ「タイパやコスパなどを意識している」「動画やドラマなどを倍速視聴する」などの効率を重視する人に危うさを感じてしまいます。

基本的に効率重視の人は、常に感情が後回しになり、本質を探ろうともしないため、他人の感情に鈍感で、本質を知らないまま過ごしがち。さらに効率重視の分、自分の感情を瞬間的に結論づけて発信するため、「思わぬところで人を傷つけていた」というケースが少なくありません。

五輪の関係者に対しても効率重視の目線で見るため、「時間をかけ、努力を重ねて積み上げたもの」への思慮が乏しく、彼らの本質をつかめていない感があるのです。

「自分の人生に向き合わない」弊害

ところが効率重視の人がSNSで発信するときは、意外なほどに粘着質。たとえば、自分の批判を正当化するために、競技経験者などのコメントから一部を切り貼りするようなケースをよく見かけます。

効率重視のはずなのに、なぜそんなことまでするのか。誰かを喜ばせることのないその熱意はどこからくるのか。

これまで他人を誹謗中傷してしまう人の話を聞いてきましたが、彼らに共通しているのは、「自分の人生に向き合おうとしていない」こと。その理由は「わからない」「自信がない」「面倒くさい」「怖い」「特に理由はない」……いずれにしても自分の人生に向き合っていないから、よく知らない人の人生に口を出したくなってしまうのです。

特に五輪選手のような自分の人生に向き合ってきた人が何らかの失敗をしたときが、彼らが口を出す絶好のタイミング。自分の人生に向き合っていないことの言い訳をするように他人を攻撃することで、現状を正当化してしまうのです。

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