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甲子園、大谷翔平の初戦突破を阻んだ「2つの壁」 多くのメジャー選手たちも涙をのんだ夢の舞台

東洋経済オンライン / 2024年8月4日 17時0分

「清峰打線はそんなに振れている感じはしませんでした。後ろ(の打球)は自信ありますし、前に落ちて走者がたまるのが嫌でした」(佐藤)

相手は不調の9番。投げているのは菊池。まさか長打はないという考えがあったのも事実だった。だが、連投のうえ、5試合目の登板。「ひじに張り、重みがあった」状態だけに、橋本が苦手なスライダーを選択していれば……。

菊池は「一番練習してきたまっすぐを打たれたので悔いはないです」と言ったが、40回3失点のうち、悔やんでも悔やみきれない1点になってしまった。

一方の清峰・今村猛(元広島)は大会3度目の完封。「毎イニング、ゼロで抑えようと思った結果です」。44回1失点の磐石な投球だった。

大谷翔平の初戦突破を阻んだ「2つの壁」

2011年夏 1回戦 帝京 VS. 花巻東

初戦を迎えた花巻東の佐々木洋監督は、試合前に語っていた。「万全な状態ではありませんが、どこかで大谷(翔平/ドジャース)は登板させるつもりです」。

岩手大会では左足の肉離れ(のちに骨端線損傷と判明)で1回2/3だけの登板だった大谷が、ライトのポジションからマウンドに向かったのは4回表の途中だった。点を取り合うなかで、帝京が2点リードの場面だ。5回表には、帝京のエースにして3番の伊藤拓郎(元DeNA)と対峙して、2年生の甲子園最速タイとなる150キロを計測。追加点を失うなかでも、そのピッチングは異彩を放った。

試合中盤まで7点ずつを奪い合うシーソーゲーム。帝京は7回表、1年生で正捕手を担う9番・石川亮(オリックス)が中越え二塁打を放つ。犠打の失敗などで二死となるが、4番・松本剛(日本ハム)が走者一、三塁から右前適時打を放って1点を勝ち越す。注目右腕を攻略した帝京が、粘る花巻東を振り切った。試合後の大谷は悔しさを滲ませた。

「下半身を使えなくて上半身だけでのピッチングになってしまいました。たとえ球速が150キロでも、120キロでも、どんな形でも、とにかく勝ちたかった……」。

両校合わせて22安打の乱打戦を制した帝京の前田三夫監督にとっては、夏の甲子園通算30勝目となる節目の勝利となった。

2012年春 1回戦 大阪桐蔭 VS. 花巻東

身長197センチの藤浪晋太郎(メッツ)と193センチの大谷翔平(ドジャース)。注目右腕同士の対決を制したのは藤浪だった。

2回裏、エースで4番の大谷が藤浪の変化球を右翼スタンドへ運ぶ特大アーチを放つ。4回裏には7番・田中大樹の右前適時打で加点した花巻東が、試合を優位に進める。だが、6回表に8番・笠松悠哉の左中間二塁打で逆転した大阪桐蔭は、終盤にかけてさらに制球が定まらなくなった大谷を攻め立て大量点を奪う。

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