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アップルが「折りたたみ」をやらざるをえない理由 海外では折りたたみ時で1センチ未満のスマホも

東洋経済オンライン / 2024年8月4日 8時0分

ところが、上には上がいた。中国ではMIX Fold 4よりもさらに薄いモデルが出たのだ。日本ではまだニッチな折りたたみ市場だが、世界では激しい開発競争が繰り広げられているのである。

アップルもサムスンもライバルではない

2019年にサムスンとファーウェイが折りたたみスマートフォンを市場に投入してから今年で5年目となる。当初は画面を曲げられるだけでも目新しさがあったが、各メーカーはカメラ画質を高めるなど性能アップを進めてきた。しかし、2023年にファーウェイが「Mate X3」を出すと一気に風向きが変わった。

Mate X3は、本体を閉じると11.8ミリの厚みで、重量は239グラム。発表時の売りは「iPhone 14 Pro Max(240グラム)より軽い」だ。Mate X3は折りたたみスマートフォンが初めて一般的なスマートフォンと同じサイズ感で戦えるようになった製品であり、中国で折りたたみスマートフォンユーザーを一気に増やした。

当時、ライバルだったサムスンの「Galaxy Z Fold4」は15.8ミリ、263グラムであり、当時の一般的な常識である「折りたたみスマホは厚くて重たい」というイメージそのものだった。ちなみにファーウェイの1ヵ月半後に海外で発表されたグーグルの折りたたみスマートフォン「Pixel Fold」が中国でほとんど話題にならなかったのは、中国で販売されなかったこと以前に重量が283グラムと時代遅れ感があったことが大きい。

サムスンは2023年7月に「Galaxy Z Fold5」、そして2024年7月には「Galaxy Z Fold6」を発表し、サイズの薄型化と軽量化を進めていった。しかし、中国メーカーはそれを上回る速さで小型化を成し遂げていったのだ。この動きの速さはサムスンの予想をはるかに超えたものであり、市場がここまで動くとは予想もしていなかったに違いない。

では、前述した「Xiaomi MIX Fold4」より薄いモデルとは何か。2024年7月時点で世界最薄の折りたたみスマートフォンはオナー(HONOR)の「Magic V3」である。サムスンの発表から2日後に発表されたこのモデルは、重量こそシャオミMIX Fold 4と同じ226グラムだが、閉じたときの厚さは9.2ミリとシャオミよりさらに0.3ミリ薄い。さらに本体を開いたときの厚さは4.35ミリとこちらも世界最薄だ。シャオミのMIX Fold 4も4.59ミリと十分薄いが、薄型化技術ではオナーが上回っている。

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