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「高校浪人」挫折した彼が"世界王者になった"ワケ ベンチプレスで世界一になった彼の波乱な半生

東洋経済オンライン / 2024年8月4日 8時0分

2022年に世界ベンチプレス選手権大会で優勝した山下保樹さん(写真:山下さん提供)

浪人という選択を取る人が20年前と比べて1/2になっている現在。「浪人してでもこういう大学に行きたい」という人が減っている中で、浪人はどう人を変えるのでしょうか?また、浪人したことによってどんなことが起こるのでしょうか? 自身も9年の浪人生活を経て早稲田大学に合格した経験のある濱井正吾氏が、いろんな浪人経験者にインタビューをし、その道を選んでよかったことや頑張れた理由などを追求していきます。

今回は特別編です。2022年に世界ベンチプレス選手権大会で優勝し、世界王者になった山下保樹さんには、高校浪人の経験がありました。山下さんに高校浪人の話、浪人生活が今の活躍に与えた影響など、お話を伺いました。

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周りよりも1歳年上で学生生活を過ごす

今回お話を伺った山下保樹さんは、大学受験で浪人を経験せず、また留年もしていません。それでも、彼はつねに同級生よりも1歳年上で学生生活を送ってきました。

【写真】世界ベンチプレス選手権大会で優勝した山下保樹さん

なぜなら、彼は高校浪人を経験したからです。

幼少期から野球を続けて、名門公立校である東大阪市立日新高等学校に入学した山下さん。ここで彼は甲子園常連校のPL学園高等学校に実力の違いを思い知らされ、挫折して退部・退学します。

しかし、そこからの浪人生活で勉強をやり直し、入り直した高校で出会った競技で世界王者になるまでの実力をつけました。

「高校浪人」を経験した彼が、どのように人生を立て直し、新たに始めた競技で世界一になったのか。その根源に迫っていきます。

大阪府の東大阪市に、会社員の父親と、パートをしている母親のもとで生まれ育った山下さん。保育園のときからKUMONに通い、勉強にも励んでいました。

「保育園の年長のときには掛け算ができた」と語る彼は、当時から1つのことに集中したら永遠にやり続ける性格でした。小学校4年生までは優等生で、テストはほぼすべて100点だったそうです。

しかし小学校5〜6年になると、勉強をする意味がわからなくなって、最低限の勉強だけで済ますようになりました。

「親が近くの中学校が荒れていることを嫌がって、近畿大学の附属中学を受ける話もあったのですが、僕は『なんで遠くの中学校までチャリンコに乗っていかないとあかんねん』と思っていました。今、自分は親のために勉強しているわけではないよなと思い、そのまま近くの公立中学校に進みました」

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