韓国バーガー「マムズタッチ」渋谷店の"秘策" ドンジョンCEO「コスパが重要な消費トレンド」
東洋経済オンライン / 2024年8月5日 10時0分
ボリュームだけでなく品質、つまり味についても、事前に競合他社商品約40種類との比較テスト、日本人を対象とした消費者テストなどを行い、日本人好みの味を追求したという。
日本市場における、もう一つの重要戦略が「スピード提供」だ。
まず、注文のプロセスをデジタル化。対面のほか、客のスマートフォンや店内2カ所のパネルから注文できるので、注文までの時間が短縮される。
また渋谷店で初めて厨房に導入したのが「ベルトコンベア」だ。調理を流れ作業で行うことにより、生産効率をアップ。2023年のポップアップストア時に比べ、客の待ち時間を平均55%削減したそうだ。
このベルトコンベア、キム氏自らの発案だという。
「なぜベルトコンベアを入れたかというと、この店で利益を出さねばならないから。韓国では都心のテナント料が高い店舗はフラッグシップ店などにしてマーケティングの役割をもたせ、利益は出せなくても仕方がない、という考え方で運用しているが、渋谷店はそのようにしたくなかった。家賃をカバーしながら利益も出すにはどうしたらよいか考えるために、街をさまよい、流動人口などを観察した。その結果、人は十分にいる、あとはオペレーションを整備して待ち時間を短くすれば客は入ってくると。こうして生産効率の高い店舗づくりが前提となった」(キム氏)
渋谷店では1時間に200枚のレシートが発行される。客数にして300〜400人に商品を提供しなければならない。これはマムズタッチでも前例のない数だそうで、韓国内でもっとも客数の多い店のベテランスタッフが調理に要するタイムを計測して検討したが、対応できないことがわかった。
そこで工場のいわゆる「カンバン方式」をヒントに、キッチンにベルトコンベアを設置することを思いついたのだという。
生産効率向上だけでなく、人件費削減の効果も見込んでいる。
なお、渋谷店に続き、韓国のミョンドンに2024年6月オープンした店舗にもベルトコンベアを大小2台導入。ミニタイプのほうは日本の回転寿司をヒントにしたそう。こちらのミニタイプも渋谷店への導入を検討中だ。
日本では「味・満足度」で勝負するしかない
オープンから約1カ月が経過したところでの、日本市場の印象を聞いた。
「日本は進出がとても難しい市場という印象。東南アジア市場では韓国が文化の先進国というイメージが定着しており、『K-プレミアム』、つまり韓流ということが付加価値になる。しかし日本では通用しない。より本質的であり、グローバルにも通用する基準、『味・満足度』で勝負するしかないと思っていた。実際に店舗を出してみて、来店数や口コミの評価を見たところでは、戦略は成功していると感じている」(キム氏)
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