日本株の「長期上昇インフレ相場」は終わらない 次に来るのは「急落後の反発」か「弱気相場」か
東洋経済オンライン / 2024年8月5日 10時30分
8月2日の東京株式市場で日本株は急落した。日経平均株価は1987年10月のブラックマンデー時の3836円に次ぐ史上2番目の下げ幅となる2216円安を記録、3万5909円となった。
1日の3万8126円から、3万7000円台どころか3万6000円台もあっという間に通過してしまうほどの下げだった。あとを受けた2日のアメリカのNY(ニューヨ-ク)市場でも同国経済のソフトランディングを揺るがすような景気指標が出たという理由もあったが、日本株に先導されたような大幅安となり、手がつけられないような負の連鎖に陥っている。
上昇相場は終わってしまったのか
アメリカでも、7月の史上最高値から8月2日までの下落率を見るとNYダウ30種平均が-3.5%、ナスダック総合指数が-10.0%、S&P500種指数が-5.6%となっている。
ウォール街では、伝統的に調整局面入りのターニングポイントを-8%(-20%で弱気相場入り)としている。その点では、NYダウとS&P500種指数は調整局面入りではなく単なる高値波乱といえるが、AI(人工知能)半導体関連銘柄の多いナスダック総合指数は調整局面に入ったことになる。
一方、ナスダックに近い銘柄構成を持つ日経平均の8月2日の終値は、7月11日の史上最高値4万2224円からの下げ率が-14.9%となっている。しかも史上最高値当日のチャートの形が、兜町では「捨て子線」とも言われる、テクニカル手法の「アイランドリバーサル」(離れ小島)になっていることから、調整局面どころか弱気相場入りのリスクを感じる投資家も多くなっている。
この厳しい展開の中だが、「2023年大発会から始まったデフレ脱却相場は、少なくとも2024年と2025年の3年間にわたる上昇相場という形で続く」という私の基本的な相場観はまったく変わっていない。
しかも、それは3年で終わるという意味ではない。「インフレ相場」が本格的に始まれば2026年も、場合によっては2027年も続くと考えている。
上昇期待は継続だが今回は反発時の抵抗力も強そう
そもそも、2日の日経平均の下げ幅は「1987年のブラックマンデーに次ぐ史上2番目」と言われる。だが「下落率」で見ると、ブラックマンデーの14.9%に対して5.8%にすぎず、歴代のワースト20にも入っていない。
ただし、今回の調整局面は、2023年以降に訪れた下落局面とは違うことは認めなければならない。前回の「『2025年日経平均株価5万円』への道が見えてきた」(7月22日配信)でも触れたように、昨年からの重要な上昇と下落をまとめると、日経平均は2023年の大発会2万5716円を起点に、同年7月3日の高値3万3753円をつけてから約半年の調整に入った。このときの下値は同10月4日の3万0526円で、高値からの下げ率は9.5%だった。
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