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幹線が分断「根室本線」部分廃止は違和感だらけ 2016年の運休からJR北海道は復旧せず放置

東洋経済オンライン / 2024年8月6日 7時30分

JR北海道の根室線富良野―新得間の3月31日の最終運行日を迎え、大勢の人に見送られるJR富良野駅発の最終列車(右)(写真:共同通信社)

2024年3月31日をもって根室本線富良野―新得間81.7kmが廃止された。根室本線はこの廃止により、滝川―富良野間54.6kmと新得―根室間307.5kmに分断され、北海道上川地方と十勝地方を結ぶ鉄道ネットワークが分断された。廃止区間のうち東鹿越―新得間については2016年の台風災害以降不通となりバス代行輸送が続いていたが、ついに復旧されることなく廃止となった。

【写真を見る】廃止直前に撮影した根室線富良野―新得間の様子。『鉄道員』『北の国から』ロケ地の駅も廃止に。7年半もの間、列車が走らず雪に埋もれた線路も。

北海道では「攻めの廃線」によるJR石勝線夕張支線新夕張―夕張間の廃止を含めて鈴木直道知事就任以降、4線区297.1kmが廃止となり、鉄道ネットワークの縮小、分断が進んでいる。

最終日の富良野―新得間

根室本線富良野―新得間の最終列車となったのは、東鹿越20時20分発滝川行の普通列車。キハ40形気動車4両編成には多くの立ち席客が出るほどの状況で、21時2分に富良野駅に到着。117年の歴史に幕を閉じることとなった。

お別れセレモニーは、この日の日中にJR北海道主催で富良野駅、東鹿越駅、新得駅で実施されたほか、富良野市を舞台としたドラマ「北の国から」のロケ地となった布部駅では地元有志によるセレモニーも開かれ、「北の国から」の脚本を手掛けた倉本聰さんもサプライズ登場した。

富良野駅のセレモニーでは、JR北海道の綿貫泰之社長らが出席。綿貫社長は記者団に対して、「モータリゼーションの進展とともに年々ご利用が減る中で鉄道としての役割を終えることになった」と廃線の理由を述べた。

この日は午後から、鉄道区間である富良野―東鹿越間はキハ40形4両編成が当てられ、東鹿越―新得間の鉄道代行バスについてもハイデッカータイプのバス4台運行が行われていた。しかし、東鹿越駅で列車を降りた乗客は、そのまま新得行の代行バスへと乗り継ぐものはごく一部で、大半は折り返し列車の待機列へと並びそのまま富良野へと折り返していった。代行バスは4台運行だったものの、このうち3台はほとんど乗客が乗っていない状況で運行されており、乗客のニーズは列車代行バスにはあまりないことは明らかだった。

また、3月30日と31日の2日間にかけて、札幌―富良野間でキハ261系はまなす編成とラベンダー編成の混結5両により臨時特急ふらの号も運行された。しかし、31日の札幌行は東鹿越―富良野間の最終列車の1本前に接続していたためか、乗客はほとんど乗っておらず、空気輸送状態で札幌へと発車していった。特急ふらの号を東鹿越駅発の最終列車に接続していれば、富良野駅から札幌方面に「ゆったり着席して帰宅したい」という潜在的なニーズを拾えていたはずであるが、顧客ニーズを把握できていなかったように感じられた。

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