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「どんだけおんねんサークル長」就活生達のホンネ 25年「就活川柳」から就活生のトレンドを見る

東洋経済オンライン / 2024年8月6日 9時0分

続いて、【優秀賞】の2作品を紹介しよう。

Excelで まとめる落ちた 企業名 ファイルの名前は 「信者リスト」(大阪府 サラダ食べたいさん)

不採用通知である「お祈りメール」は誰もが欲しくないもの。届くと落ち込む学生がほとんどだろう。ただ、落ち込んでいるだけでは前に進めない。落ち込みながらも気分を紛らわしたり、気持ちを切り替えたりすることが必要だ。

作者が考え出したユニークな対抗策には感心せざるを得ない。お祈りメールを「お祈りを捧げる人」からのメールと捉え、それを「信者」とする発想が極めて面白い。就職活動のつらさをユーモアで乗り越える工夫が伝わり、共感を呼ぶことだろう。

企業からの不採用通知を逆手に取り、心のバランスを保つための独自の方法がユーモラスに描かれていて、つらい現実を笑いに変える力強さが感じられる。ところで、「信者」は最終的に何人集まったのだろうか。少人数で終わったことを願うばかりである。

面接で 直接言われた 内々定 お辞儀で隠す 綻ぶ口元(千葉県 みやびーむさん)

対面形式の最終面接が終わった後、第一志望の企業から内々定をその場で直接伝えられ、喜びを隠しきれずに綻ぶ口元をお辞儀で隠したという瞬間が見事に描かれている。

3年生の夏季インターンシップから始まったであろう、1年近くに及ぶ長い就職活動の終わりを迎えた達成感と、喜びがひしひしと伝わる作品で、読者もきっと思わず笑顔になることだろう。

感動的な場面が見事に表現されており、作者の言葉に表しきれない喜びが伝わってくる。内々定の瞬間の幸福感が溢れた一句であるが、口元が綻んでいる間は頭を上げることはできないはず。どれだけの時間、お辞儀を続けていたのか気になるところでもある。とにかく、内々定、おめでとう!!

友人を信じすぎてはダメ?

ここからは、【佳作】に入選した作品を抜粋して紹介しよう。

就活は 早めにやらんで 大丈夫  言ってた友が 早期内定(大阪府 サラダ食べたいさん)

【優秀賞】を受賞した作者が別の作品で【佳作】にも入選。「就活川柳・短歌」で1人の作者が複数の入選をするのは今回が初めてだ。

就職活動なんて「早めにやらんで大丈夫」と言っていた友人が、実は早くから就活を始めていて、なおかつ早期内定を得ていたという驚きと焦りが伝わる作品。友人の言葉に安心しきっていた自分への反省と友人の意外な行動への驚きが見事に表現されている。

この句を読んで、学生時代の定期テスト前になると「まったく勉強していない」と言いながら、後日、答案用紙が返ってきてみるとかなりの高得点をマークしている友人のことを思い出した。実は、勉強していないどころか、何日も前から睡眠時間を惜しんで勉強していたのだ。

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