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日本の現場を殺した「3つの過剰」という根本問題 組織を強くする「本当に必要な管理」とは?

東洋経済オンライン / 2024年8月7日 12時0分

本社・本部は、規則やルールで現場を縛るのでもなく、「自らの目」で見る管理を心掛けなければならない(写真:bee/PIXTA)

経営コンサルタントとして50社を超える経営に関与し、300を超える現場を訪ね歩いてきた遠藤功氏。

36刷17万部のロングセラー『現場力を鍛える』は、「現場力」という言葉を日本に定着させ、「現場力こそが、日本企業の競争力の源泉」という考えを広めるきっかけとなった。

しかし、現在、大企業でも不正・不祥事が相次ぐなど、ほとんどすべての日本企業から「現場力」は消え失せようとしている。

「なぜ現場力は死んでしまったのか?」「どうすればもう一度、強い組織・チームを作れるのか?」を解説した新刊『新しい現場力 最強の現場力にアップデートする実践的方法論』を、遠藤氏が書き下ろした。

その遠藤氏が「日本の"現場"を弱体化させた『3つの過剰』」について解説する。

「がんじがらめに管理される」日本の現場

私は過去30年以上にわたり、日本企業の現場を訪ね歩いてきた。その数は300を超える。いまも経営顧問先の現場やコンサルティングを行う企業の現場を訪ね歩き、現場の人たちと直接的な触れ合いを大事にしている。

【ひと目でわかる】日本の職場・現場を殺した「3つの過剰」のヤバすぎる正体

「現場力」こそが、日本企業の競争力の源泉であると信じてきた。

しかし、さまざまな現場を訪ね、現場の責任者に話を聞くと必ず出てくるのが、「規則やルールに縛られ、身動きがとれないほど管理が厳しくなっているという嘆き」である。

「内部統制」や「コンプライアンス」「三六協定」「ISO」「さまざまなレギュレーション対応」など、管理すべき項目は膨れ上がり、現場管理者はそうしたルールや規則の現場への徹底と報告書作成などのペーパーワークに忙殺されている。

その結果、部下とのコミュニケーションの時間すら満足にとれず、現場で発生している問題への対処もままならない状況が続いている。

何の価値も生み出さない業務に、現場は忙殺されているのだ。

悲鳴すら上げられない現場が、不正に手を染めざるをえないところまで追い込まれているケースもある。

ダイハツで不正が急増した「裏側」

たとえば、ダイハツで不正が急増したのは2014年以降のことで、その背景にあるのが、「短期開発」という手法だ。

2011年に発売した自動車で成功し、短期開発がほかの車種でも踏襲された。やがて、「むちゃくちゃな日程が標準となる」ような状態になった。

ダイハツは、トヨタグループにおける「アジア市場の開拓者」としての役割を担っていた。そのため、同時期にトヨタ向けのOEM(相手先ブランドによる生産)供給車が増えていた。

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