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鬼怒川線「東武ワールドスクウェア」の非日常感 最近は「ワンちゃんと一緒に世界旅行」が売り

東洋経済オンライン / 2024年8月7日 7時30分

その答えを知るために、実際に園内を案内してもらった。

ドーム状のエントランスゾーンを抜け、20分ごとに音楽が奏でられるモニュメントを見ると、最初は「現代日本ゾーン」。東京駅に国会議事堂、東京タワーに成田空港。そして東武さんが世界に誇る東京スカイツリー。園内には線路も敷かれていて、25分の1サイズで再現された鉄道車両も走る。

ここでは期間限定ながら東武の特急「スペーシア X」が東京駅に入線するという摩訶不思議な世界を見ることもできる。200系新幹線とスペーシア Xのコラボなんて、現実で見ることはもはやありえない。

名建築が一堂に会す

そのまま海を模した水辺を挟んで、「アメリカゾーン」へ。ここにはワールド・トレード・センターを中心としたマンハッタンにセントラルパークやホワイトハウス。木立の中を抜ければ、ピラミッドやスフィンクスが印象的なエジプトゾーン、凱旋門とエッフェル塔、ピサの斜塔にサン・ピエトロ大聖堂と、誰もが知っている名建築が出迎える。

続けてアジアゾーンに入れば、故宮やアンコール・ワット、タージ・マハル。古い遺跡や建造物だけでなく、2004年に完成した当時世界一高い建造物だった台北101も建つ。

そして、締めくくりは「日本ゾーン」。法隆寺に厳島神社、二条城といった名建築が並び、古き日本の農村風景などが再現された一角も。そこには「SL大樹」が駆け抜けたりするから、鉄道ファンでもなかなか楽しい時間を過ごせそうだ。

……と、駆け足で巡ってきたが、確かにその精巧さは圧倒的。うまいことアングルを調整して撮影すれば、ホンモノだと言われても信じてしまう。

「実際に、エジプト出張前にここに来て写真を撮って、『一足早く来ちゃいました』とSNSに投稿したら会社の人が信じちゃった、などというお客さまもいたくらいです。建造物に興味がある方だと、それこそ1時間かそこらじゃとてもじゃないけれど回れないとおっしゃる方も多いですね」(森田さん)

このホンモノとまったく違わない精巧さは、各国から建造物の図面を取り寄せていることに由来する。どれもそれぞれの国のシンボルといっていい建造物ばかり。門外不出、取扱注意の図面も入手して、壁面の微細な彩りまで忠実に再現しているのだ。それが難しい場合でも現地に足を運んで調査をしているという。

建造物以外にも注目

見どころは建造物ばかりではない。それぞれの建造物の周りには、無数の人形が配置されている。その数、実に14万体。一つひとつ、専門のスタッフが衣装から表情まで意図を持って塗り分けているのだという。だから、ひとりとて同じ人形は存在しないのだ。

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