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鬼怒川線「東武ワールドスクウェア」の非日常感 最近は「ワンちゃんと一緒に世界旅行」が売り

東洋経済オンライン / 2024年8月7日 7時30分

「人形もよく見ていくと、それだけでもかなり楽しめると思いますよ」。パークオペレーション部課長の磯幸恵さんが教えてくれた。

それぞれ時代を象徴するものだったり、国会議事堂の前には歴代の総理大臣、またホワイトハウスの前にはバイデン大統領がいたり。他にも注目してみると、変わった人形を見つけることができるのだという。

「たとえば、カールおじさんがいるんです。どこにいるかどうかは……探してみてください(笑)。ほかにも、万里の長城には三蔵法師ご一行。円覚寺には傘を差している人形がいますが、14万体の中で傘を差しているのはその1体だけ。春日大社には着物を着ている人形がいたり、写真を撮っているスマホにはカメラの向こう側が描かれていたり。そういうところも細かくやっているんです」(磯さん)

また、森田さんが「ワールドスクウェアに赴任するまで知らなかった」と話すのは、園内の植栽だ。建造物の周囲に配置される植栽は、いわば25分の1スケールの世界観の一部。ただ、99%まではホンモノの植物を使っており、職人がこまめにケアをすることで25分の1の世界になじむように整えられている。

このように、ここまでやるかと言いたくなるくらいに、徹底的に精巧に建造物を再現し、それらを取り巻く世界観はひとつとて同じもののない人形たちやホンモノの植物を使った植栽で彩る。

確かに、これでは1時間ばかりの空き時間に……と思って訪れては、とうてい満足するほど堪能することはできなさそうだ。

実物ではムリな眺めも

そして、この25分の1スケールの独特な世界観は、いまの時代に実によくマッチしている。インスタグラムをはじめとする、SNSとの親和性が高いのだ。

建造物の前に寝そべって見上げるようなアングルで写真を撮ったり、本来ならばありえない建造物同士を同じ画角に収めてみたり。実物では不可能な俯瞰撮影もできる。

もちろん、東武ワールドスクウェア自らも最近では積極的にSNSを活用している。

「昨年からワールドスクウェアでもスペーシア Xの運行をはじめたのですが、運行開始日はホンモノと同じ日にあわせました。そして、30日前からSNSで『あと〇日』というカウントダウンを発信したんです。園内のあちこちからスタッフが登場して……。それが鉄道ファンの間でも話題になったようで、注目していただくことができました」(森田さん)

ちなみに、ワールドスクウェアの園内を走るスペーシア Xをはじめとする鉄道車両は、市販されている模型などではなく、25分の1の特注品。それなりに手間とおカネもかかっているようだ……。

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