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日産、ホンダ陣営が「資本提携」に発展する可能性 EV連合に三菱自も合流「問われるスピード感」

東洋経済オンライン / 2024年8月7日 8時0分

日産の内田誠社長(左)とホンダの三部敏宏社長(右)。3月の記者会見では報道陣からの握手の求めを拒んだが、8月の会見では冒頭から握手をし、フォトセッションではがっちりと手を握ってポーズを決めた(撮影:尾形文繫)

自動車の電動化・知能化時代に向けた戦略的パートナーシップの検討を開始する――日産自動車とホンダが発表したのは今年3月15日のこと(関連記事、ホンダ・日産が提携、募る危機感と微妙な距離)。それから約4カ月半、ようやく具体的な内容が見えてきた。

【写真】稼ぐ力が落ちている日産。ホンダと足並みをそろえて投資ができるのか

8月1日、両社は協業の5つの領域を発表するとともに、新たに三菱自動車が合流し、3社で戦略提携の検討を進めていくことを明らかにした。

「スピードが今の私たちに最も求められる要素。“100 day SPRINT”(100日間でのスピード開発)をスローガンに、対等な立場で活発な検討を実施してきた」と日産の内田誠社長は胸を張った。

協業領域は、①車載ソフトウェア ②バッテリー ③eアクスル ④車両の相互補完 ⑤国内の充電サービスと資源循環――の5つ。①については、次世代車載ソフトウェアのプラットフォームについて、基礎的要素技術の共同研究契約を締結した。

単独では戦っていくのは厳しい

提携の狙いは、規模のメリットを追求することにある。

車の電動化・知能化には莫大な金がかかる。バッテリーやeアクスルの開発・生産投資はもちろん、車載ソフトの開発だけでも「数千億円規模」(ホンダの三部敏宏社長)。今年5月、ホンダは従来5兆円としてきた2021~2030年度のEV関連投資を10兆円に倍増させる計画を発表している。

別々に開発している部品やソフトを共通化できれば、それぞれの投資負担が減るうえに、調達面でボリュームメリットも享受できる。ただでさえ不足しているソフトウェア人材を両社で活用できることも大きい。

この先、自動車が生み出すデータを本格的に活用していくにも車両台数の多さは武器になる。規模が力になる以上、日産が34%出資する三菱自が加わるのは自然な流れだ。

ホンダの世界販売台数は407万台、日産は344万台。各々単独では戦っていくのは厳しいが、2社が手を組み、三菱自の81万台も合わせると合計830万台規模になる。SUBARU、マツダ、スズキと組むトヨタ陣営の1600万台規模には及ばないものの、一定の効果は期待できる。

とはいえ、提携はまだ出発点にすぎない。

5つの協業領域の中で唯一、契約締結という形まで至った車載ソフトでさえ基礎研究に1年をかけて量産化を検討する。両社とも2026~2027年の量産モデルはすでに開発を始めているため、どれだけ早くても実装は4~5年先になる。

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