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スキル向上のために退職は嘘?辞める若手の本音 賃上げできずにどんどん社員が辞める企業も

東洋経済オンライン / 2024年8月8日 16時0分

3つ目は最低賃金の増加です。物価高騰を背景に2023年の最低賃金は全国加重平均で4.3%増、金額にして43円も引き上げられました。

その結果、最低賃金額の上昇に月例給与の昇給が追い付かずに困っている会社もよくみます。従業員にとって月給が上がることは嬉しい反面、これまで賃上げがなかった職種では最低賃金に追い付かれてしまうケースもあり、「私の仕事は最低賃金なのか……」とショックを受けてしまうこともあります。

賃上げできないことによる影響

賃上げができないことでどういったことが起きるでしょうか。

まずは前述のとおり会社に不安や憤りを感じて退職する従業員が出てくるでしょう。賃上げがないことだけで転職する人ばかりではありませんが、多少なりとも離職率に影響を与えます。

人手不足が深刻な日本では辞めた人の穴埋めを採用ですぐに補える、なんて会社はほとんどなく、業務は一旦在籍している人に割り振られるケースが多いです。

退職者の仕事を引き継いだ従業員に余裕がないと、労働時間は長くなり、オーバーワークによる心身の疲労や集中力の低下から生産性が下がることも考えられます。厳しい労働環境が続けば多くの従業員が疲弊し、仕事に対してのモチベーションが下がってしまうでしょう。

現場を把握できていない会社であれば、仕事量の多さを原因としたハラスメントの発生や長時間労働によるメンタル不調者が出てくる恐れもあります。ここまでくると負のスパイラルに陥ったといえ、ハラスメントや心身の疲労を理由にした退職を希望する人たちが次々にあらわれてくるでしょう。

こういった状況を打破しようと採用で新たな人員の確保に動こうにも、インターネットの口コミではかなり評判が下がっており、応募が来ないことも想定されます。

転職活動する際には、企業の評価や社員の口コミサイトを見ることが定番ですが、利用するには在籍していた企業の評価を求められることが一般的です。

退職者は会社の不満を言える絶好の機会として会社のありのままの姿をオブラートに包まず書き、それを見た求職者はあなたの会社を転職先の選択肢から外していくのです。

そうこうしているうちに徐々に企業体力は失われ、同業他社にシェアを奪われた結果、売り上げは減少。経営が立ち行かなくなり倒産、というのが最悪のシナリオです。

賃上げが先か、売り上げアップが先か?

大企業でない限り、そう簡単に賃上げができないのが実態ではないでしょうか。

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