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コメだけじゃない!食材不足からの「和食危機」 「令和のコメ不足」に陥っている4つの要因

東洋経済オンライン / 2024年8月8日 11時0分

(写真:編集部撮影)

全国で、コメ不足が深刻化している。8月1日に東京・高円寺のスーパーを見て回ったところ、西友はコメの棚の半分ほどが空で、コメ袋を積んであるところも少なめ。「入荷状況が不安定なため、品薄や欠品が発生」、とおわびの紙も貼ってあった。

【写真で見る】都内のスーパー(8月2日)ではコメを販売している棚が空っぽだった

業務スーパーにはそこそこ積んであったが、オーストラリア米やカリフォルニア米も置かれていた。アキダイは8割ほどコメ袋が置かれていて供給は足りているようだった。各社の報道によると、購入制限をかける、価格が上昇している店もあるという。

1993年は1年続いたコメ不足

要因は、昨年夏の酷暑やインバウンドの急増などが伝えられている。しかし、こぞって買い占めに走ると、社会的混乱に陥りかねない。1993年の平成コメ騒動がまさにそうだった。

当時の状況を整理した『週刊東洋経済』2011年9月10日号の記事によれば、騒動は1993年秋から翌年初夏まで続いたが、1994年夏に猛暑で早めに大量の新米が市場に出回ると、嘘のようにコメ不足が解消した。

一方、日本が突然大量にコメを輸入したことで国際相場が大きく上がり、備蓄米を日本へ提供したタイのコメを嫌って捨てる消費者が続出し、タイの人々を大いに傷つけたなど、反省点は多い。

あわてて騒動を起こすのは避けたいが、やがては落ち着く、と楽観視できる状況でもないかもしれない。

コメはここ数年、人気者だった。ロシア-ウクライナ戦争で小麦価格が上昇し、質が上がっていた米粉がブームになった。昨年、ぐるなび総研の「今年の一皿」に「ご馳走おにぎり」が選ばれるなど、おにぎり専門店が各地に増え、おにぎりブームが起きていた。

が、足元のコメ不足を受けて、おにぎり専門店などでは卸売業者などと定期的な契約をしている店でも、4月からコメ不足を感じており、中には今月に値上げする店も一部出てきそうな状況だと、おにぎり協会の中村祐介代表理事は語る。

「猛暑で品質の低下も起こっていることもあり、別の品種に切り替える、炊飯に工夫を凝らすなど、臨機応変に対応しおいしさを担保する努力をしている店もあります」(中村代表理事)

コメ不足を助長する4つの要因

背景にある「コメの需給バランスについては、今年は転換点と言えそうです」と中村代表理事は語る。

そのポイントは4つ。1つは長く続いた減反政策の影響が今も残り、作付け面積が減少していたこと。2つ目は生産者の高齢化で、コメの生産に携われる人が減っていること。ところがコロナ明けで、外食・中食の需要が増加し、インバウンド客の急増も加わって、消費が増加していることが3つ目の要因だ。4つ目は輸出が増えていること。生産は減っているが、需要は増えているのだ。

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