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全員が一定の成果を出せるキーエンスの仕組み 成果のバラつきを防ぎ、全体の生産性を高める

東洋経済オンライン / 2024年8月9日 13時0分

まず、標準化によって成果を出すためのノウハウが明確になることで、誰もが成果を出せるようになります。成果を出せるようになれば、仕事へのモチベーションも自然と上がるはずです。

我流でやっていると「本当にこれでいいのだろうか」と不安になることもありますが、標準化されたプロセスを踏めば、迷いなく行動でき、無駄な時間も減らせます。また、全社員が同じプロセスで業務を進められるということは、大きな安心感にもつながります。「他の人もこの方法で成果を出せているのだから、自分もきっとうまくいく」と思えるはずです。これは特に、経験の浅い社員にとって心強い指針となるでしょう。

一方で、昨今は個性や自分らしさを大切にする風潮があるのも事実です。こうした考えを持つ人に対しては、「標準化は基礎づくりの部分であり、その上で個性を発揮すべき」と説明するのがよいでしょう。

たとえば、外国語の学習にたとえるなら、基本的な文法や単語をマスターするのに、最初から独自のやり方を編み出す必要はありません。むしろ、一般的な学習方法をしっかりと身につけることが近道になります。会話や作文など、応用の段階で初めて個性を発揮すればよいのです。

ビジネスにおいても同様に、まずは標準化された王道のプロセスを習得することが重要です。我流で独自のやり方を模索するのは、かえって非効率的だと言えます。固定化された業務プロセスを疑問の余地なくこなせるようになって初めて、その先の創意工夫が意味を持つのです。

したがって、業務の標準化は個性の発揮を妨げるものではなく、むしろ、個性を存分に活かすための土台づくりだと考えるべきでしょう。基礎づくりの段階から無理に独自色を出そうとするのは、センター試験の4択問題に5つ目の選択肢を増やすようなものです。求められていないオリジナリティは、時に自身の成長を妨げるリスクすらはらんでいるのです。

岩田 圭弘:アスエネ株式会社 共同創業者 兼 取締役COO

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