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「経営」も「宗教」も本質理解できる"超スゴい理論" 「センスメイキング理論」って知っていますか?

東洋経済オンライン / 2024年8月9日 11時0分

「宗教」と「優れた企業経営」を理解するうえで最重要理論のひとつ「センスメイキング理論」について解説する(写真:metamorworks/PIXTA)

「宗教」と「優れた企業経営」には実は共通点があり、「現代の強い企業」は、いい意味で「宗教化」していく。

それらの主題をもとに、世界の宗教事情に精通したジャーナリストの池上彰氏と、『両利きの経営』の解説者で早稲田大学教授の入山章栄氏が語り合った『宗教を学べば経営がわかる』が発売された。

同書の内容を再編集しながら、「宗教」と「優れた企業経営」を理解するうえで最重要理論のひとつ「センスメイキング理論」について、入山氏が解説する。

「宗教」と「優れた企業経営」には共通点がある

宗教と優れた企業経営に共通点はあるのか。あるとすれば、それは何なのか。

【書籍】「経営」も「宗教」もいっきに"本質"が理解できる!超スゴい理論「センスメイキング理論」を詳しく解説した池上彰氏と入山章栄氏の新刊

『宗教を学べば経営がわかる』では、この論点から池上彰さんと縦横無尽に語り合った。そして、「両者は本質的にほとんど変わらない」という結論に至ったのだ。

「同じ目標・信念を持つ人たちが集まり、その動機づけを持って共に行動する」という意味で、宗教と優れた経営に何ら変わりはない。

今後はさらに不確実性が高まり、複雑になり、正解のない時代となる。

この不透明な世界では、どんな人も何かしら「自分が信じる、腹落ちできる心の拠り所」を欲する。それは企業経営も同じはずだ。

その点で、よく考えれば、宗教は数千年におよぶ歴史のなかで人類が培ってきた「心の拠り所」としての、叡智の結晶だ。

だからこそ、これからは「いい意味で宗教的な企業」が求められるのだ。

そして世界の経営学では、この「腹落ちできる心の拠り所」の重要性を説明する経営理論がある。池上さんとの対談を通じてこれらの視点を結びつけることで、「新たな知見」が浮かび上がってきた。

以下、池上さんとの対談から得た、世界の経営理論とそこから見える宗教との共通性を解説したい。

宗教と経営の共通点を考えるうえで最重要の経営理論のひとつが「センスメイキング理論」である。

日本企業の経営課題を考えるうえで、不可欠の理論だ。

カギとなる経営理論「センスメイキング理論」

「センスメイキング理論」は、ミシガン大学の組織心理学者カール・ワイクが1980年代に提示した理論で、少し難しい話だが、この理論は科学哲学の「相対主義」に基盤を置く。

相対主義とは、「人々は完全には同じようにものごとを共通認識できない。なぜなら、人(=主体)と対象物(=客体)はある意味で不可分であり、主体の働きかけ方やその状況によって、主体ごとに客体の解釈が違ってくるからである」という立場をとる。

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